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日本の料理人が上海の専門学校で講義 和食の魅力を伝える

2019年 9月 24日17:08 提供:東方網 編集者:王笑陽

 中国の飲食店情報サイト「大衆点評」で日本料理店を検索してみると、4000件以上がヒットする。寿司、刺身、揚げ物、すき焼きといった日本料理の名前はすでに耳になじみのある言葉であり、日本料理が上海で広く受け入れられていることが分かる。では、日本料理のおいしさの秘密は何だろう?なぜ世界中の人々に愛されているのだろうか。

 9月23日、上海市普陀区にある「甘霖初級技術職業学校」では、日本料理の基礎を教える講義が開催された。講師を務めたのは上海の有名な日本料理店「旬割烹真木乃」の谷口義忠大将。大将によると、中華料理の味は主に甘、辛、酸、苦、鹹という五つだが、日本料理は「旨味」というのを一番大切にしている。そして、この旨味を表現するに最も重要なものが出汁だ。昆布とかつお節で作られた出汁は、日本料理の最も基礎の調味料で、様々な日本料理に合わせることができる。出汁は美味しい日本料理の「秘密」と言っても過言ではない。

日本人の食べ物に対する感謝の気持ちを説明する谷口義忠大将

 今回の講義は、上海市人民対外友好協会の紹介で、甘霖初級技術職業学校と日本の調味料メーカー·キッコーマン株式会社が共催したものだ。このイベントは去年も開催されたもので、1年間にわたって計6回の講義を行い、中国人の学生が日本料理の基礎である「一汁三菜」を自分で作れるようになることを目標としている。

 講師に招かれた谷口大将は、18歳から料理を学び、日本の多くの有名店で修業した後、2004年に上海へ来た。そして2011年に自分の店「旬割烹真木乃」を開いた。なぜ講師を引き受けたのかという質問に対し、大将は、「日本人として上海で日本料理をやっています。ですから中国人学生に日本料理はこんなにすばらしいものだと伝える責任があると思っています。それに2004年に上海に来てもう15年になるので、ここで生活を立てさせてもらっている恩返し、という意味もあります」と語った。

だしの作り方を教える谷口大将

学生たちもやってみる。

 甘霖初級技術職業学校の校長によると、昨年の講義では最後に、学生が一汁三菜の料理を作って両親に食べてもらった。「学生の両親はもちろん、谷口大将と私たちもとても感動しました。そこで今年もこのイベントを開催しようと決めたのです」。

 23日に行われた1回目の講義では、キッコーマン海外管理部の深澤晴彦部長が学生に対し、「一年間は長いですが、私は皆さんに期待しています。この講義をきっかけに、ぜひすばらしい料理人になってください」と励ましの言葉を述べた。

自分の出汁を味わう学生に「味はいかがですか」と聞く深澤晴彦部長

 谷口大将は学生に刀の研ぎ方と、だしの作り方を教えた。出来上がった出汁にキッコーマン社の醤油を少し入れるともっと美味しくなるそうだ。