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中医薬、世界へ広がる

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「一帯一路」による開放の道 チェコで好評を博す中医学

2019年 7月 12日17:20 提供:東方網 編集者:範易成

  中医とは、脈診•腹診•舌診などといった手法で診察し、証を立て、生薬で構成された漢方薬を処方して治療を行う医師のことである。これまでは西洋文化との違いから、中医学は世界に普及するには至っていなかった。しかしチェコの北部にある都市、フラデツ•クラーロヴェーには「中国•チェコ中医学センター」があり、両国の医師が、鍼灸などの中医技術で患者を治療している。

  フランチェスク•ムジル(Frantisek Musil)医師はその中の一人だ。中国•チェコ中医学センターは、フラデツ•クラーロヴェー大学病院と上海中医学大学付属曙光病院の協力により、2015年6月に設立された。この医学センターには患者の診察だけでなく、中国の伝統文化や現代中国の活力を展示する役目もあるという。

  フランチェスク•ムジル医師によると、中国•チェコ漢方医学センターは両国政府から支援を受けていて、両国の医師の交流を促進するプラットフォームでもある。彼自身は内科の医師で、中医にも興味があったのでチェコのプラハで中医学を勉強した。現在もセンターで働くと同時に、中国の医師について中医学の勉強を続けている。「医学センターで働くチェコのスタッフには、医師、看護師、通訳がおり、中国のことをよく知っています。そして中医技術を非常に深く理解していて、みな優秀な人材なのです」、と語る。


  センターは設立からまだ3年しか経っていないが、すでに地元の住民約2万6千人の治療を行った。患者の中には、漢方医学を知って興味を持つようになった人も多い。そしてこの漢方医学センターはチェコの他の病院よりも、患者の評価が高いそうだ。「一般の病院での患者の好評率は50%ぐらいですが、我々のセンターの好評率は80%にも達します。」とムジル医師は述べた。

  中国•チェコ漢方医学センターは、患者に治療を行うだけでなく、伝統の中医薬文化を伝える使命も担っている。上海曙光病院はこれまで4人のベテランの中医医師をこのセンターに派遣して、チェコの医師に鍼灸、吸い玉、刮痧(かっさ)などの技術を伝授した。また、特別に中医外来を設けて、太極拳などの中医系の鍛錬法を教えたことなどで患者から好評を得た。

  2017年6月、チェコ議院の投票で中医薬の関連法律条例が批准され、中医医者はチェコでも法律的にも認められるようになった。この過程では、センターの医者や患者たちが中医の効果を証明したことが非常に大きな役割を果たし、中医関係の立法はわずか6ヶ月で順調に成立したのである。

  フランチェスク•ムジル医師は、「今のチェコにおける漢方医学の発展に関しては、医学界の基準化や医師資格、漢方薬の認可、医療保険などの問題があるのは確かです。しかし漢方医学がチェコの患者に多大な恩恵をもたらしているのは間違いありません」、と語る。

  1988年、改革開放に基づき、中国国家中医薬管理局が設立され、1997年には初の中医医学対外交流促進政策も実施された。一連の活動で漢方医学はだんだんと中国から世界の舞台へと上りつつある。そしてさらにここ数年は、「一帯一路」の提唱によって、中医学にも新たなチャンスが生まれた。チェコ中医医学センターは、この「一帯一路」提唱による初の海外医療プロジェクトとして生まれたものだ。

  統計によると現在、中国は「一帯一路」沿線の30か国と中医医学に関する協力協議を結んでおり、また中医医学センターの建設は49カ所にものぼっている。そして昨年現在、海外患者のべ38万人に中医治療を提供し、中医に関わる1万人の人材を育成した。

(編集:f)