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話題のドラマ『長安十二時辰』 曹盾監督「主人公は長安の街」

2019年7月11日 10:27
 提供:東方網 編集者:王笑陽

 中国で今、話題のドラマと言えば、馬伯庸の歴史ミステリー小説『長安十二時辰』の同名ドラマだ。

 「時辰」というのは、古代中国で使われていた時間の単位である。一日を12等分し、それぞれを「一つの時辰」という。また、12の時辰を十二支であらわし、例えば、午後11時から午前1時までを「子時」という。ということで、「十二時辰」を現代語でいうと24時間となる。

 「長安十二時辰」は、その名の通り、唐の都である長安の一日の物語だ。

 天宝三年の正月15日は元宵節にあたり、長安の街では誰もが夜に行われる盛大な灯籠まつりを首を長くして待っていた。そのころ突厥(とっけつ)の軍人16人が、ひそかに長安に潜入していた。長安の治安管理機関·靖安司は、この16人を追跡する途中で、突厥人の恐ろしい陰謀を知る。だが、危急存亡のこの時、長安を救える人間は、元長安万年県の「不良帅(刑事に相当する官職)」で、今は死刑囚である張小敬ただ一人。繁栄を極めた長安の街の裏で、すべての人々の命にかかわる戦いが始まった…。

張小敬を演じる俳優·雷佳音

人気歌手·易烊千璽が李必を演じる

 動画配信サイト·優酷(Youku)によると、7月1日から海外の動画配信サイトでも相次いで「長安十二時辰」が配信開始される。VikiやAmazon、Youtubeで「有料コンテンツ」の形でネット配信される予定だ。英語名は「The Longest Day In Chang'an」、つまり、「長安の一番長い日」だ。

 登場人物が多いうえに人間関係が複雑で、原作で40万文字以上あるこの小説をドラマ化することは簡単ではない。ドラマの曹盾監督は、原作の「一章で半の時辰(1時間)」の書き方を「踏襲」して、ドラマ1話で半の時辰のストーリーを語ることにした。非常に早いペースで物語が進行し、文語に近いセリフのため、最初の1、2話を見ても訳がわからない可能性もある。だが、続けて2、3話を見てあらすじと人物関係が分かるようになると、緊迫感あふれるストーリーに心が鷲づかみにされて、やめようにもやめられなくなること間違いなしだ。

 視聴者の大きな関心事は、主人公の張小敬と李必(靖安司の管理者)の運命がこれからどうなるかだろう。しかし曹盾監督は、「このドラマの本当の主人公は張小敬でもないし、李必でもない。だれでもない。長安という都市だ」と言う。

創意工夫に満ちたドラマの道具や服装、化粧

 長安という都市を再現するために、制作チームは通行人の衣装や化粧までも、様々に工夫した。「本当の長安を再現したかった。街が本物だと思われなければ、登場人物のセリフと感情が心に響かないから。そうして初めて張小敬のセリフ、『俺は今日一日長安を守りたいだけだ』、も信じられるようになるのだ」。

 西安(今の長安)出身の曹盾監督は、原作にない内容をひそかにドラマに加えたという。それは西安のグルメだ。張小敬が監獄を出てからわざわざ「水盆羊肉(羊肉スープ)」を食べに行くシーンがある。放送後はネット上ですぐに「西安行きたい!」「私も食べたい!」のコメントが寄せられた。これも監督の本意だ。

ドラマに登場する西安のグルメ「水盆羊肉」も人気に

 「西安には美味しいものがいっぱいある。もしこのドラマが人気になったら、みんなが西安に旅行に行く時、何が美味しいかがわかるだろう」と監督は笑った。

(編集:W)