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「ゴミ出し時間帯をすぎた!」 上海市民の新しい悩み

2019年 7月 2日15:41 提供:東方網 編集者:王笑陽

 「上海生活ゴミ管理条例」が7月1日から正式に実施された。ほとんどの市民はゴミ分別に賛成の意を表しているが、実行するとなると、やはり不慣れなことが多く、問題点も少しずつ浮かび上がってきた。

 例えば、条例の第24条第2項には、「上海市は生活ゴミを決まった時間帯に決まった集積所に出す制度を広めて実行させる」と規定しているが、多くの市民はこの規定を「とにかく不便だ」、と感じている。

 ゴミを出す時間帯と集積場所に関しては、各コミュニティーの居民委員会、または住宅環境管理会社が、住民の意見を聞かないまま決めた場合が多い。

上海のあるコミュニティーのゴミ集積所。ゴミを出す時間帯以外は扉を閉めることになっている。

 ゴミを出す時間は、一般的に、午前と午後の2つの時間帯が設けられている。「午前6時から9時と、午後6時から9時」と規定しているコミュニティーもあるし、「午前7時から9時、午後5時から7時」などとしているコミュニティーもある。働きに出ている朝9時から午後5時の時間帯の前後にゴミを出すようになっているので、一見すると通勤している人にとっては優しい時間帯のように見える。だが実は、夫婦共働きの家庭にとってこの2つの時間帯は、いずれも一日中で最も忙しい時間だ。夫婦自身の通勤に加えて、子供の学校の送り迎え、朝食や夕食の用意など、やることがたくさんあって目の回るように忙しい時間帯であり、ゴミを出す余裕がない。言うまでもなく「996」(朝9時から夜9時まで働き、週6日間の勤務体制)で働く人や夜勤の人がゴミ出し時間を守るのは、なかなか難しいだろう。

日本のゴミ集積所の看板には、曜日と出し方が書いてある。

 しかし、隣国の日本と比べてみれば、この制度はまだまだ厳しいとは言えないかもしれない。日本では普通、ゴミを可燃ゴミ、不燃ゴミ、資源ゴミ、粗大ゴミの4種類に分けている。可燃ゴミは週2回、資源ゴミは週1回、不燃ゴミは月2回収集することが多い。

 ゴミ収集の場所と時間が決まっているのは日本だけでなく、ドイツ、イギリスなどの国でもそうだ。ドイツでは毎年始めにゴミ収集カレンダーが住民に配られる。急に大量のゴミが出たり、またはゴミ収集の時間を過ぎてしまったら、自分でゴミを処理所に運ばなくてはいけないし、その場合定額以上のゴミ処理費用がさらに必要だ。

 これらの国と比べると、新しい上海のゴミ収集制度はやり易いとも言えないが、特に厳しいとも言えないだろう。従来の習慣を短期間で変えるのはそもそも難しい。実際に浮かび上がってきた問題に応じて、制度や規定を合理化していくことも大事だ。幸いなことに、上海市民はほとんどゴミ分別という政策に積極的な態度をとっており、新しい規定に慣れようと頑張っている。

(編集:W)