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ちまき以外には?外国人留学生が「端午節」を徹底解説!

2019年 6月 6日9:35 提供:東方網 編集者:王笑陽

 中国の「端午節」にちまきを食べるという風習は、今どき多くの外国人にもよく知られている。そしてこの動画の中で、上海の復旦大学の外国人留学生2人は、おいしいちまき以外にどんな風習があるのか、なぜこの祝日を祝うのかなどをめぐって、「端午節」を徹底解説してくれる。


動画のセリフの日本語訳:

 「ナディア、あなたがハミングしている曲はなに?」

 「『千年等一回』という曲で、最近いつも頭の中に響いているの。この前見たテレビドラマ『白娘子伝奇』の中の曲なのよ。」

 「え?それはどんな話?」

 「蛇の化身である白素貞と人間の許仙とのラブストーリー。聞いたことない?中国ではすっごく有名だよ。毎年、夏休みと冬休みになると必ず再放送されるテレビドラマなの。」

 「つまり、蛇が人間に化けて恋をする物語ね。でも、許仙はどうやって白素貞が実は蛇だということを知ったの?」

 「それは端午節の時に、白素貞が『雄黄』が入った焼酎の雄黄酒を飲んだからよ。それで正体を表してしまったの。許仙は妻の本当の姿が蛇であることに大きなショックを受けて、死んでしまったの。しかし、こういうことがあったからこそ、白素貞がいろいろな苦労をなめ尽くして最後には夫を復活させる、というハッピーエンドになるわけよ。」

 「雄黄酒って本当にそれほど不思議な効果があるの?」

 「もちろんないよ。でも、端午の節句に雄黄酒を飲んで邪気を払う、という風習がある地方は多いそうよ。『雄黄』は中国の伝統的な薬の一種で、殺菌·解毒の効果があるとされているの。このほか、端午節には家にヨモギを置いたり、生薬を入れた香り袋を身につけたりする習慣もある。これらの植物の香りには虫除けの効果もあるし、それに健康にもいいと思われているからなの。」

 「ところで『端午』っていったいどんな意味?」

 「中国語で『端午節(デゥン·ウー·ジェ)』と読むけれど、『節』とは祝日の意味で、『端』とは古い中国語ではスタートや始めという意味だったので、月の五日目を『端五』と呼んでいたの。そして、漢字の『午』は『五』に相当し、中国人は昔は西暦ではなく、旧暦を使っていたので、すべての祝日は旧暦に基づいているのよ。つまり、旧暦の五月は現代の五月とはちょっと異なる、ってことね。『五月』を『午月』とも書くので、『端五』は徐々に『端午』と書くようになった。だから『端午節』は『五月節』とも呼ばれるの。また、端午の頃にもち米で作った食べ物『粽子(ゾンズ)』を食べたり、ドラゴンボートレースを行ったりするので、中国語で『粽子節』とも言うし、英語では『ドラゴンボートフェスティバル』とも呼ばれるんだ。」

 「ちまきは知ってる!古代中国の愛国詩人の屈原を記念するためのものよね。」

 「そう。でも、それよりもっと早い一説があるの。中国の江蘇省や浙江省の一帯では、ちまきは屈原と似た経歴を持つ伍子胥という人を記念するための食べ物と考えられているのよ。」

 「ところで、どうしてドラゴンボートレースを行うの?」

 「その風習は屈原以前の時代にすでに存在していたの。伝説によると、中国の長江の中下流の地域に『古越族』という古い部落があって、この部落ではドラゴンボートレースを行う風習があった。この部落の人々は自分たちが竜の子孫だと思い込んでいて、彼らのトーテムも竜。そして彼らは竜のイメージを真似て舟を作ったの。このような風習が現代まで伝わって、端午節も彼らが祖先の竜を祭るために設立した祝日だという説もある。」

 「それはいつ頃のこと?」

 「だいたい秦の時代から漢の時代。つまり、西暦紀元前200年の頃ね。」

 「端午節は2千年の歴史があるってことね!」

 「そうよ。」

 「端午節も春節の時みたいにたくさんの料理を用意するのかな?」

 「中国の南方では『五つの黄色い食べ物』を食べる習慣があります。それは、タウナギ、キグチ、キュウリ、塩漬け卵の黄身、雄黄酒(すべては黄色い食べ物ではないが名前に『黄』字がある物も含む)。でも、雄黄酒には毒性があるので、そのかわりに紹興酒を飲むことになっているの。」

 「エジプト、イギリス、日本、ベトナムなどの国でもドラゴンボートレースがあると聞いているけど、中国からの影響かな?」

 「そうだと思う。しかも、端午節は2009年にユネスコの世界無形文化遺産にも登録されたんだよ。中国で初めて世界無形文化遺産に登録された伝統的な祝日でもあるってことなの。」

 「こんなたくさんの事が分かったんだから、端午節の休みには中国に残って、ぜひ実体験してみたいね。」

 「学校の食堂ではちまきを売り始めたそうよ。これから上海でさまざまなドラゴンボートレースも行われるそうだから、ぜひ一緒に見に行きましょうよ!」

 「はい!行きましょう!」

  

プロデューサー:曹俊

企画:呉瓊

キャスト:Nadia Aleo(英),Elisa Nigris(伊)

撮影:鄭赫、鄭倩

映像編集:鄭赫、鄭倩

デザイナー:王迪、陳奇涵

協力:復旦大学新聞学院

製作:東方網海外経済文化センター

(日本語訳·編集:W)