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中国陶磁史上の「空白期」とは?上海博物館で景徳鎮磁器展が開幕

2019年 5月 29日10:12 提供:東方網 編集者:王笑陽

 上海博物館で27日、特別展「15世紀中期の景徳鎮磁器展」が開幕した。この展覧会は中国陶磁史上の「空白期」に焦点を当てる、これまでで最大規模の磁器展である。

 北京故宮博物館、台北故宮博物館、東京国立博物館、サンフランシスコアジア美術館、メトロポリタン美術館など、国内外の28の博物館や美術館の280点以上のコレクションが展示されている。

東京国立博物館蔵の青花枝蓮紋葫芦瓶と青花蓮托八宝紋罐

 ではなぜ15世紀中期が中国陶磁史上の「空白期」と呼ばれるのか?

 上海博物館研究館の陸明華研究員によると、15世紀中期は、中国の明朝第6代(正統帝)、第7代(景泰帝)、第8皇帝(天順帝)の時代にあたる。世界の陶磁器のふるさととして有名な景徳鎮には、明代初期に官窯が設けられ、高品質の各種陶磁器が製造された。ただ、正統·景泰·天順の3代にわたって、年款を器皿に描き込む習慣が行われなかったため、この3つの時期の陶磁器への認識が薄く、中国陶磁史上の空白期と呼ばれることとなったそうだ。

上海博物館蔵、明正統景徳鎮窯青花雲龍紋大缸

 幸いなことに、1988年と2014年に景徳鎮の珠山にある明代の陶磁器生産工場遺跡で大量な陶磁器が出土した。これによって「空白期」の陶磁器の様子もうかがえるようになってきた。だが、陸研究員によると、なぜ正統·景泰·天順の3代に限って年款を器皿に描き込む習慣が行われなかったかという問題はまだ未解決とのことだ。

上海博物館蔵、明正統景徳鎮窯青花雲龍紋大缸

 世界でただ一つ、完璧に保存されてきた「明正統景徳鎮窯青花雲龍紋大缸」も展示される。展示会は9月1日まで行われる。

(編集:W)