ようこそ、中国上海!
中国国際輸入博覧会

Home >> 新着 >> 上海

珍獣ドクターが足りない!上海でも10人未満

2019年 5月 10日17:26 提供:東方網 編集者:王笑陽

 ペットというと、犬や猫を想像する方が多いだろう。だが実はペットにはいろいろな種類がある。例えば、トカゲ、カメレオン、蛇、フクロモモンガ、チンチラ、アルパカなど、動物園以外ではめったに見られない動物をペットにする人もいる。インターネットではこれら珍しいペットに関する情報を手軽に入手でき、合法的なペットショップから買うことも簡単だ。しかし、ペットが病気になったら、思った以上に困ることになるかもしれない。

ペットは…アルパカ?

それとも…トカゲ??

 一般の獣医師が、犬猫に比べて珍しいペットに関する臨床経験や知識が乏しいことは十分想像できる。東方網の調査によると、上海には動物病院が229軒、獣医師が800人以上いるが、珍しい動物の専門獣医師、つまり「珍獣ドクター」は10人もいない。

 獣医師の翁治天さんは14年の経験を持ち、猫と珍獣の診療が得意。彼によると、珍獣を飼う若者が今増えていて、それに連れて動物の種類も多くなっているそうだ。うさぎ、カメ、モルモット、インコなどはすでに「珍しくなく」なった。フクロモモンガ、テン、ハリネズミなどもペットとなった。これに対して珍獣ドクターはいつも人手不足の状態にあり、珍しいペットよりも珍しいとも言える。しかし珍獣ブームに伴い、珍獣ドクターは近年、国内でも人気の職業となっている。

東方網の取材に応じる翁治天医師

翁治天医師は珍獣治療が得意

人気ペットのフクロモモンガ

 珍獣ドクターはお金を稼げる仕事だ、と一般的に思われがちであるが、実際には難しくて、ときに危ない仕事でもある。

 内科や外科などに分けられた人間を診療するドクターと違い、獣医師は強いて言えば全科診療医だ。獣医学はそもそも人間の医学とは比べ物にならないほど幅広い。そして珍獣医療となると、教科書や研究論文がさらに少なく、逆に知識と経験への要求は極めて高くなる。

 その上、仕事中に危険に遭う可能性もある。動物は排泄物を自分で処理することができないので、病気にかかった動物の排泄物にウイルスや寄生虫卵が含まれているかもしれない。接触すれば感染の可能性もある。ペットに咬まれることも、引っ掻かれることもしょっちゅうだ。

ペットに咬まれる危険のある毎日

 女性獣医師の熊思琦さんの腕には、ペットに咬まれた傷跡が並んでいる。「(この仕事をする)時間が長くなると、慣れますよ」と彼女は語った。

 さらに休暇が少ない。「獣医師になって5、6年経ちますが、大晦日に休んだことは1度もありません。休日と祝祭日は一番忙しいですから」。熊思琦さんは女性獣医師として、とりわけ家族や恋人の理解と支援がほしいと言う。

 最後に、獣医師になるのに一番欠かせないのは動物への愛だ。小動物が大好きだから大学で動物医療を専攻したという熊医師は、病院で見たことのあるペットのほとんどを自宅で飼ったことがある。現在は大人気のフクロモモンガを飼っているそうだ。

 「横たわって入院して来たペットたちが全快して退院する時が、私の一番嬉しい時です」、と熊思琦医師は語った。

(編集:W)