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上海万博を振り返り、自分の「今とこれから」を考える

2019年 4月 30日10:51 提供:東方網 編集者:兪静斐

 2010年の上海万博で、キッコーマンは食文化の国際交流を促進するという理念のもと、一人3000人民元の高級日本懐石料理‐‐料亭『紫 MURASAKI』を打ち出した。そして中国国内外の1200以上のメディアに報道され、期間中「スターレストラン」として人気を博した。そこで働いた研修生の半分は上海大学の学生だったが、万博から9年を経て、今回、これらのボランティアが大学に戻り、万博での経験を後輩たちに話して、社会に出た後の心得を分かち合った。

 任倩は2006年度の卒業生だ。料亭『紫 MURASAKI』が彼女に教えた一番のものは、夢の大切さだったという。まずは自分の夢を持ち、それを信じて絶えず努力すれば、いつか必ず成功する。仕事においては、人より多く見て、多く学ぶこと、そして主体性を発揮することが大事だ、と後輩に伝えた。

 任芳も2008年度の卒業生で、任倩と一緒に料亭『紫 MURASAKI』の仲居を務めた。彼女は少し特別な経歴を持っている。それは万博が終わった後、数回に及ぶ選抜を勝ち抜いて、最終的にキッコーマンの東京本社に入社したことだ。任芳は350年以上の歴史を持つ会社で働く経験を、後輩たちに分かちあった。曰く、料亭『紫 MURASAKI』は彼女に、チームワークの大事さと仕事に対する責任感を気づかせてくれたという。そして最も大事なのは、その経験が彼女のその後の人生の方向も導いてくれたことだと言った。

 唐史超は上海大学の2008年度の卒業生だ。万博当時は料亭『紫 MURASAKI』で、日本から来たミシュランレベルのシェフの補助として働いた。彼が一番感じたのは、「ほう·れん·そう」(日本語の中ではほうれん草と同じ発音)という、仕事と生活の最も基本的なことである。曰く、上記3点を徹底すれば、ほうれん草を食べたポパイのように力持ちとなり、何でも解決できるという。

 イベントに参加した上海大学の在学生は、このように先輩たちの実際の経験を分かち合ってもらい、理屈を紹介されるよりもっと説得力があり、分かりやすく納得できたと感想を述べた。さらに今後自分たちのスキルアップへのヒントにもなったという。

 キッコーマンは上海市人民対外友好協会の支持を受け、2010年、上海大学に、『KIKKOMAN “紫 MURASAKI”基金』を設立した。この基金はキッコーマンが上海万博日本産業館に出展したことを記念し、キッコーマンの『食文化の国際交流を促進する』という理念を推進し、日中友好のためにかけ橋となる人材を育成するためのものである。中国の諺に、「前代の植えた樹の下で後代が涼む」というものがある。キッコーマンと上海大学の基金は、まさにそれを証明していると言えよう。参加した学生の多くは、自分たちもこれから努力して、「樹を植える人」になりたいと思っている。

 キッコーマン海外管理部の深澤晴彦部長は、「キッコーマンと上海大学の学生との交流は、時間が経っても変わっていません。当時料亭『紫 MURASAKI』で働いてくれた学生たちは、現在それぞれの業界で活躍しています。当時の先輩たちの様々な経験と努力は、多くの後輩たちにこの10年間の活動の土台を提供しました。彼らは奨学金を獲得し、また、日本研修や食文化体験講座への参加等のたくさんの機会を得ています。キッコーマンとしてはこの上海大学とのご縁をこれからも末永く続けていきたいと思います」、と述べた。