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『となりのトトロ』中国版ポスターを手掛けた黄海が上海国際映画祭のポスターをデザイン

2019年 3月 18日17:24 提供:東方網 編集者:王笑陽

 18日、「第22回上海国際映画祭」のポスターが発表された。デザインしたのは黄海。彼はこのほど中国にとどまらず、日本でも好評を博した『となりのトトロ』デジタルリマスター版のポスターデザイナーである。今年の上海国際映画祭は6月15日から24日まで開催される予定だ。

第22回上海国際映画祭の公式ポスター

 今度の映画祭のポスターを依頼された時、これまでも数多くの映画ポスターをデザインしてきた黄海氏は、重圧を感じてすぐに返事をしなかったそうだ。そしてよく考えた結果、孫悟空を映画化した『大鬧天宮(英題:The Monkey King)』をポスターの主題にすることを決めた。『大鬧天宮』は上海美術電影製片場が製作し、1960年代に上映された中国アニメーション映画の代表作。中国の伝統的な美意識を表した最高傑作であり、その後の中国映画や映画人への影響が極めて大きいともされている。

『大鬧天宮』の孫悟空

 黄海は『大鬧天宮』を、「舞台の表と裏の違いが分からない作品。その理由は、作品が製作者全体の知恵と努力の結晶だから」と分析し、さらに「そしてこの点は上海映画祭の願いの一つである『映画製作者を尊重する』こととも一致している。また、上海美術電影製片場の代表作である『大鬧天宮』は、上海映画祭のポスターの主題にたいへんふさわしい」、と考えた。

 中国の伝統的な文化や考え方を映画ポスターの形で世界に伝える。これが黄海の特徴だ。例えば、日本の是枝裕和監督の映画作品である『万引き家族』が中国で上映された時、黄海がデザインした中国版ポスターには、1本の傘の下に家族5人が描かれている。「傘は一時的な避難場所を表している。中国語の『傘』は『散』と同じ発音。家族というものは、いつかは散り散りになるものだから」、との意味が込められている。この中国版ポスターは、是枝裕和監督からも称賛されたという。

『万引き家族』の中国版ポスター

 そして『大鬧天宮』を今度の上海映画祭ポスターの主題に選んだもう一つの理由は、主人公の孫悟空が世界中に認められた中国文化の符号の一つであるからだ。黄海は、「誰でも孫悟空が好き。想像によって作り上げられたキャラクターだが、暗号のような存在だ。どの国でも、どんな人でも、孫悟空のことを言えばすぐに距離感がなくなり、親しく感じることだろう」、と語る。中国映画と世界の間にかけ橋を作ろうとする上海映画祭にとって、これ以上ふさわしい主題はないと言えよう。


(編集:W)