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国際都市競争力向上にむけて中日友人が上海へ提言

2019年 3月 15日16:44 提供:東方ネット 編集者:範易成

  「上海市白玉蘭賞日本人受賞者の会」の一同21人が、このほど上海に赴いて第6回年会を行った。3日間の年会では上海副市長と会見したり、上海慶齢故居記念館を訪問したほか、上海の発展に建言するフォーラムも開催された。

  上海は現在、世界に影響力を持つ社会主義現代化国際都市を目指している。このほど、上海市白玉蘭賞日本人受賞者年会の一環で、「国際都市競争力向上にむけて 上海への提言」シンポジウムが上海で行われ、中日両国の専門家·友人約70人が集まり、上海の国際都市建設に提言を述べた。

シンポジウム会場

  このシンポジウムは、政治協商委員会上海委員会、上海対外友好協会、上海日本白玉蘭会の共催で開催され、明治大学名誉教授•森記念財団の市川宏雄教授が主旨講演を行った。市川教授は大都市の国際競争力に関する著名な専門家であり、日本政府や東京都に対してもこれまで様々な提言を行っている。

  中国人民政治協商会議上海市委員会副秘書長邢邦志によると、国際都市は都市発展の高級段階である。今の上海は、国際都市となる基礎や条件をすでに有しており、「開放、革新、包容」という都市品格で国際舞台に上った。そしてより影響力を広げるために、上海は国際都市評価システムを構築する必要があるという。

シンポジウム会場

  「上海白玉蘭賞日本人受賞者の会」の代表である星屋秀幸氏は、2003年に白玉蘭賞を受賞した。星屋氏によると、2017年3月に、上海対外友好協会·上海市科学委員会の指導の下、日中国交正常化45周年を記念し、白玉蘭会特別企画としてノーベル賞受賞者である名古屋大学の天野浩教授を招いて、「世界を照らすLED」をテーマに講演を行った。上海の復旦大学·交通大学·同済大学の学生約300人が集まり、大変有意義な交流会となったという。

  続けて星屋氏は、「今回のテーマは都市の国際競争力についてです。中国の華南では最近、香港·深圳·広州·アモイからなる大湾区構想が動き出し、華北では北京·天津·雄安の新首都圏構想が始動しています。さて長江デルタの要·上海は何を目指すのか。我々上海にご縁のあったものとしてはとても関心のあるところです 」、と述べた。

講演を行う市川教授(左2)

  市川教授の講演の前半では、東京の第5次首都圏基本計画および発展中に直面している様々な課題が詳しく紹介された。そして都市圏の評価方法、生命力(人口、経済規模)、知性(研究、知識、開発)、相互作用(外国との関係)、インターネット(インフラ)、持続可能性(大気汚染、若年人口、寿命、所得、雇用)という5つの機能、ストック、フロー、成長という3つの視点から評価することを提案した。この評価システムによると、東京の場合、知性、インターネット、持続可能性は強く、生命力と相互作用には解決すべき課題が依然として多い、と述べた。

  講演の後半に市川教授は、世界の都市総合力ランキング(GPCI)における上海の得点状況に基づいて、上海の直面する課題や提言を述べた。

  都市総合力ランキング(GPCI)は2008年から毎年発表されており、2018年で11年目となる。世界の44都市を対象とし、6つの分野から都市の「総合力」を評価し、ランク付けしている

  2018年の評価結果によると、北京は経済が強く、上海は交通·アクセスが強い。研究·開発、文化·交流、居住、環境における2都市の差は小さいという。

シンポジウム会場

  また、市川教授は2032年上海オリンピック開催に向けたシミュレーションを行い、 上海が改善できる点について以下のように提言した。直行便就航都市の増加、浦東空港のアクセス改善、交通渋滞の緩和、リサイクル率の向上、CO2排出量の減少、医師増、ICT環境の改善、観光客やMICEの受け皿となるホテルの増加、外国人訪問者数の増加、大学のレベルアップ、創業環境を改善などである。

  講演の後、会場では専門家が環境保護、廃棄物リサイクル、GPCI評価標準とデータ獲得、上海モバイル支払い、人材創業などの課題をめぐって、市川教授と熱く討論した。

(作者:范易成)