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2019年 2月 26日14:08 提供:東方ネット 編集者:王笑陽
外灘の近くにあるジャズ·アット·リンカーン·センター·シャンハイ(Jazz at Lincoln Center Shanghai、以下:JALC)で24日、中日青少年向けのジャズ音楽交流会が開催された。
ニューヨークで活躍している日本人ジャズミュージシャン·大林武司が率いるカルテットが、中日の青少年を前に日本情緒に溢れたジャズを演奏した。さらに「コールアンドレスポンス」(call and response)といったジャズの特徴を紹介し、その後にはミュージシャンの指導の下で青少年たちもジャズの即興演奏に参加。ジャズという独特の音楽言語を通じて、中日の若者が心の交流を深めた。
演奏中のジャズミュージシャン
19世紀末から20世紀始めにアメリカに誕生したジャズミュージックは即興的芸術であり、さらにコミュニケーションの芸術でもある。交流会で、ジャズはなぜ世界中で愛されているのかという質問に対し、大林氏は「ジャズは包容力のとても大きい音楽だからだ」、と答えた。
大林氏によると、ジャズを愛する人はほとんどが「オープン·マインデッド」で、思いやりのある人だ。他人の考えやストーリーに耳を傾けることが好きで、ジャズの特徴である「コールアンドレスポンス」にも一致している。演奏中のジャズプレーヤーは自分が演奏すると同時に、ほかのプレーヤーの演奏にも耳を傾けなければならない。つまり、ジャズバンドの中のプレーヤーは、主役である同時に脇役でもある。
今回のジャズ音楽交流会の参加者は、ほとんどが上海にある大学の学生で、日本からの留学生もいた。そのためか、交流会の最初に「通訳は要りますか」と聞かれた時、両国に共通するアジア人特有の恥ずかしがり屋な性格が現れた。「要ります」と答える人もいないが、「要りません」と答える人もいない。そこでその沈黙を破るように、バンドはまず日本人ジャズミュージシャン·黒田卓也が創作した『エッジ』を演奏。交流会の緊張が少し緩んだところで、プレーヤーはジャズにおける基本的なリズムを紹介し、学生たちに一緒にリズムを取ろうよ、と呼び掛けた。こうして雰囲気が明るくなり、最後に学生たちは束縛を忘れ、即興的演奏に積極的に参加するようになった。
一緒にリズムを取る中日の学生
主催側のJALCと日本国駐上海総領事館によると、このイベントの目的は中日青少年の交流にある。日本の安倍首相は昨年10月の訪中時に、李克強国務院総理との間で、両国国民の相互信頼·理解を醸成する観点から、双方向の国民交流、特に若い世代の交流をさらに拡大する必要があるとの認識を共有した。これを踏まえて中日両国は、2019年を「中日青少年交流推進年」とした。
大林武司
大林武司氏は東方ネットの取材に応じて、ニューヨークでも青少年向けの音楽教育やジャズ普及のイベントによく参加すると話した。今回、ジャズ音楽交流会に招かれた時に、今年が「中日青少年交流推進年」だと初めて聞かされ、非常に有意義だと思ったそうだ。そして「もしまたチャンスがあるなら、喜んで参加します」、と語った。
(編集:W)