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イノシシ年?いや、ブタ年だ!

2019年 2月 4日9:24 提供:東方ネット 編集者:王笑陽

  そして、日本で亥がブタではない一番の理由は、イノシシを家畜化したブタの飼育が、日本ではほとんどの地域で定着を見なかったためであると考えられている。日本の歴史学者、磯田道史著の『江戸の備忘録』(文春文庫)によると、弥生時代(紀元前3世紀頃から、紀元後3世紀頃までの約600年)に、北九州を中心とする地域に養豚が行われたと推定されるが、結局は根付かなかった。山や森の多い日本ではイノシシが大量に捕えられるからだ。その後仏教が伝来し、殺生禁断の思想の影響で、肉食はタブーとされるようになった。「野鳥獣野肉を食べても、家畜の肉は食べない」という日本独自の肉食習慣を持つようになり、養豚もさらに衰退していった。

  したがって日本では、養豚は近代になってから初めて全国的に広まった。とくに大正12(1923年)年の関東大震災以降、栄養源として豚肉が推奨されてからのことだ。

イノシシ出没注意!

  それに対して中国では養豚の歴史が長く、農耕の開始とほぼ同時期に養豚が始まったと考えられている。最も古いブタの骨は、現在の中国南部から見つかった紀元前8000年頃のものであるという。そして昔から家畜のブタは、定期的に供給できる食糧源であり、人々はブタに対する文化的な親しみを伝統的に感じてきた。ブタは多産なことから繁栄、そして福、富の象徴として愛でられている。このように縁起がいいので、ブタ年には結婚ラッシュや出産ラッシュも起こっている。

ブタ模様の切り紙

  一方、日本人にとってブタより親しみを感じるはずのイノシシだが、伝統文化におけるそのイメージはそれほど可愛くなさそうだ。宮崎駿監督によるアニメ映画『もののけ姫』に登場する巨大な白い猪神「乙事主」と、タタリ神となった猪神「ナゴの守」の荒れ狂っている様子を覚えている人も多いだろう。日本ではイノシシは山神のイメージなどに結び付けられることが多いという説がある。イノシシは、猛々しいイメージを持っており、世俗の権力にコントロールされない自然の力を象徴すると思われている。

『もののけ姫』に登場する巨大な白い猪神

  しかし、今ではほとんどの日本人とイノシシの話をすると、すぐ口に登るのは山の神や自然の力ではなく、「猪突猛進」という言葉だ。一つのことに向かって、向こう見ずに猛烈な勢いでつき進むことを意味する。亥年にあたって願望や抱負を語る時によく使われる言葉でもある。中国の場合なら、「金猪拱門(金の豚が我が家の門を押しのける)」、または中国語の「猪」と同じ発音の字が入っている良い言葉「猪(諸)事順利」などを使うことが多い。

  「猪突猛進」にしても、「金猪拱門」にしても、中日の人々はともに干支の動物を通して新年への祈りを伝えることだろう。

(編集:W)