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顔真卿展が東京で開幕 国宝貸出が激しい議論に

2019年 1月 16日17:07 提供:東方ネット 編集者:王笑陽

 東京国立博物館の特別展「顔真卿(がんしんけい)王羲之(おうぎし)を超えた名筆」が、今日(16日)から開幕する。これに関して数日前から注目が集まっているが、特に台北の國立故宮博物院が国宝の顔真卿筆「祭姪文稿(さいてつぶんこう)」の実物を日本に貸し出し、公開を勝手に決めたことが議論を引き起こしている。

特別展「顔真卿王羲之を超えた名筆」が東京国立博物館で開幕

 東京国立博物館、毎日新聞社、日本経済新聞社、NHKが主催するこの特別展は、唐の時代に焦点を当てて、書体の変遷や顔真卿の活躍、後世への影響などを紹介する。毎日新聞によると、台北の故宮博物院から初来日した顔真卿の代表作「祭姪文稿」や、同時代の僧、懐素(かいそ)の「自叙帖(じじょじょう)」など約180点が、16日から来月24日まで公開されるという。15日の開会式では同時に内覧会も行われ、約1200人が鑑賞に訪れた。

15日の内覧会(写真:中文導報)

 国内では、人民日報が14日にウェイボーで投稿した「台北故宮博物院が日本に顔真卿筆『祭姪文稿』を貸し出したことが議論に。学者:紙の寿命には上限があり、公開すれば傷つくことになる」という書き込みに対して、現時点でコメント数が6714件、シェア数が1.3万、いいねが1.8万寄せられた。関連動画の再生数も381万に達するなど、人々の注目を集めている。

人民日報の投稿

 コメント欄には、「台北故宮博物院は理解できない!とても貴重な国宝で、しかも壊れやすいものだ。このようなものを日本に貸したって…ちゃんと国宝として守ってきたのか?」「無限の価値を持つ宝だよね、自分勝手に貸すわけがないでしょ」「中国人もなかなか鑑賞できない国宝を軽々しく日本に出展するなんて!」といった批判の声が殺到した。

 しかし、その一方、この特別展が書道愛好者にとって千載一遇の機会であることは間違いない。1200年以上前の唐の時代に書かれた顔真卿の肉筆、「天下第二行書」(天下一は王羲之が書いた「蘭亭序(らんていじょ)」)と言われる「祭姪文稿」を見られるだけでなく、東京国立博物館がこれに応えようと日本国内で集めた名品、顔真卿筆「千福寺多宝塔碑」(東京国立博物館蔵)、空海筆「金剛般若経開題残巻」(京都国立博物館蔵)、蘇軾筆「行書李白仙詩巻」(大阪市立美術館蔵)なども一緒に鑑賞できる。そのため、「怒っているのは書画を鑑賞しない人だ。書画の愛好者はこれが素晴らしい展覧会であることを理解できるはず」「中日の文化芸術交流にいいことだ」というような声もあがった。

顔真卿筆「祭姪文稿」、唐時代·乾元元年(758)、台北國立故宮博物院蔵

 「祭姪文稿」は、顔真卿が若くして戦死した従兄の子の顔季明を悼んだ弔文の草稿で、悲痛と義憤に満ちた情感が紙面にあふれている。最初は平静に書かれているが、感情が昂ぶるにつれ筆は縦横に走り、思いの揺れを示す生々しい推敲の跡が随所に見られる。王羲之の「蘭亭序」と並ぶ名跡として知られ、「争坐位稿」「祭伯文稿」と合わせて顔真卿の代表的な「三稿」と称されている。

(編集:W)