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浮世絵巨匠展が開催、名作166点を展示

2018年 9月 27日10:08 提供:東方ネット 編集者:王笑陽

 中日平和友好条約締結40周年記念イベントの一環として、166点の浮世絵作品を展示する「浮世絵巨匠展」が、9月22日から上海新華中心で開催されている。

 出展されている浮世絵作品のすべては、北京にある美術研究機関·李可染画院の所蔵品だ。李可染画院の李庚院長は水墨画の巨匠·季可染の息子で、1970年に渡日以降、日本の各地で作品を発表して活躍し、現在は京都造形芸術大学の教授などを務めている。この展覧会は、李氏が日本滞在の30年間で収集した1000点以上の浮世絵作品の中から名品を選出して一堂に展示している。

浮世絵を鑑賞する来場者

 葛飾北斎の「富嶽三十六景·神奈川沖浪裏」、歌川広重の「名所江戸百景·大はしあたけの夕立」など、名高い浮世絵作品の復刻版が展示されている。

葛飾北斎「富嶽三十六景·神奈川沖浪裏」(上)、歌川広重「名所江戸百景·大はしあたけの夕立」(下)

 浮世絵とは、日本の江戸時代に成立した絵画のジャンルである。人々の日常生活や風物などを描くものが多く、大衆メディアとして当時の庶民に愛された。浮世絵の進化史は、中国と日本、さらに東方と西洋の間の文化交流史とも深く関わっている。

 江戸初期、長崎は日本の海外との貿易が許される唯一の港として、中国から大量の貿易品を受け入れていた。そして上海近くの蘇州で制作された彩色版画や蘇州版画も、長崎経由で日本の各地に広がっていった。浮世絵の創始期には中国の民間版画の技法との共通点が多くあることが指摘されており、中国の蘇州版画が浮世絵に大きな影響を与えたと考えられている。

蘇州桃花塢木版画

 その後、1867年にフランスのパリで開催された万国博覧会への出品に始まり、浮世絵は日本を代表する美術として、印象派などの西洋絵画や工芸品に大きく影響を及ぼした。ゴッホが「タンギー爺さん」という作品の背景に浮世絵を描いたり、広重の絵を油絵で模写したり、マネの「笛を吹く少年」が浮世絵の影響を受けていることは有名だ。

ゴッホの「タンギー爺さん」

 浮世絵は日本で最も特徴の際立った芸術の一つだが、世界の美術史上にも重要な役割を果たしている。今回の「浮世絵巨匠展」は、目の前で浮世絵を鑑賞できる絶好のチャンスなので、ぜひお見逃しなく!

(編集:W)