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【改革開放40周年40人】海外旅行業のベテランが語る:中国の旅行市場は大きく成長

2018年 8月 9日9:33 提供:東方ネット 編集者:王笑陽

 前書き:「改革開放」とは中国で1978年から開始された経済政策である。2018年は改革開放政策実施開始40周年にあたる。そこで東方ネットでは「改革開放40周年40人」と題したシリーズ報道を行う。シリーズ報道は経済、貿易、文化、教育、民間交流、科学革新などの各分野において中国改革開放の足跡を目撃した代表的な外国人40人を取材する。彼らの物語を通じて大きな時代の流れを描き出し、中国と上海が歩んできた40年間の発展と智慧を垣間見ようとする。

 統計によると、2017年の中国人海外旅行者数は1.3億人を突破し、世界一の観光客の送り出し国となった。そして中国の対外開放の窓口として、上海は中国最大の海外旅行者の送り出し都市である。

 今年の夏も海外旅行を目玉とする上海世界旅行博覧会(SWTF、以下旅行博と略する)が開催され、多くの旅行愛好者と旅行業界関係者が来場した。今年で15回となるこの旅行博には、世界53カ国と地域から750団体が参加した。このうちチェコ、ペルー、マレーシア、チュニジア、トルコの旅行社や旅行機構は、長年にわたり旅行博に出展し続けてきた。改革開放40周年にあたって、東方ネットではこの5か国の旅行業関係者を取材した。


東方ネットの取材に応じる各国の旅行業関係者(左から順に、ペルー、チェコ、マレーシアトルコ、チュニジアの代表)

チュニジア国家観光局首席代表のカリム·ジャトラウニ

 チュニジア国家観光局は10年連続に旅行博に参加してきた。その首席代表であるカリム、·ジャトラウニは東方ネットの記者に対し、「去年、チュニジアは旅行博で『アフリカにおける最も人気の高い観光地』に選出されました。上海のバスの中でチュニジアの観光広告やPR動画を流してくれた旅行博に感謝の意を表したいです」と語った。

チュニジア国家観光局首席代表、カリム、·ジャトラウニ

 旅行博は各国の参加団体に中国市場を開拓するチャンスを提供しているだけでなく、中国の旅行業界の変化も引き起こしている。

 中国における現代旅行産業の発足は西洋に比べてほぼ100年遅れていると言われる。1949年の中華人民共和国の成立から1978年の改革開放政策実施開始までの間、旅行とはしいて言うなら民間外交の一種とされ、産業と呼べるものではなかった。だが改革開放政策が実施されたおかげで、中国の旅行業は新たな歴史段階に入った。現在、中国はもはや旅行大国となり、旅行を通して世界と活発に交流している。


チェコ観光局上海代表処のマーケティングマネジャー、陳穎

 チェコ観光局上海代表処のマーケティングマネジャーである陳穎によると、ここ数年中国の旅行市場は急速に成熟しつつある。

チェコ観光局上海代表処マーケティングマネジャー、陳穎

 「われわれチェコ観光局が初めて出展した時のことをまだ覚えています。当時、私たちのブースを訪れた来場者に、ここはチェコスロバキアのブースでしょうか、とよく尋ねられました。つまり当時は、中国人旅行者や旅行機構にとってチェコ共和国はあまり耳慣れない名前だったのです。」

 「しかし、わずか5年経っただけで、中国の旅行市場は大きく成長したということに気づきました。展示ブースに問い合わせに来る方々の中には、チョコでプラハやチェスキー·クルムロフ以外に、何か有名な観光スポットはありませんかとか、旅行先の様子をより深く知りたい、といった声が多くなりました。これは中国の旅行市場が成熟してきている表れだと思います。」


トルコ共和国駐中国大使館旅行参事官、オズギュル·アイトゥリュク

 中国の「一帯一路」構想が提唱されてから5周年にあたって、古代シルクロードの終点であったトルコでは「中国-トルコ観光年」を迎えている。

トルコ共和国駐中国大使館文化旅行処旅行参事官、オズギュル·アイトゥリュク

 この一方、中国においては今年中に上海で、様々なトルコ音楽·舞踊パフォーマンス、「トルコ風情祭」などのイベントが行われる予定だ、とトルコ共和国駐中国大使館文化旅行処旅行参事官のオズギュル·アイトゥリュクは語った。

 ある統計によると、2017年にトルコを訪問した中国人観光客は24.7万に達し、前年比47.57%増になった。「中国-トルコ観光年」をきっかけとして、2018年にはその数がさらに上がり続けるかもしれない。


ペルー駐上海経済商務参事官、ウラディミル·キョセラ

 科学技術の進歩が中国の旅行業の革新を促した。インターネットの普及に伴い、旅行業界では新たな業態が誕生した。取材に応じた各国の代表は、例外なくOTA(オンライン旅行社)に言及した。中には中国OTA大手の「Ctrip(シートリップ)」と業務提携を開始した機構もある。

 そして、科学技術の進歩によって長距離を旅することが可能になった。これについてペルー駐上海経済商務参事官のウラディミル·キョセラは次のように話した。

ペルー駐上海経済商務参事官、ウラディミル·キョセラ

 「ペルーは遠くて飛行時間が長いし、時差ぼけも生じるので行きたくない人もいるでしょう。でも現在、世界はますます小さくなっていると言えます。技術のおかげで、飛行時間が短くなりました。そして情報技術の発達で、人々はソーシャルメディアを通してペルーをPRできます。正直に言えば、ペルーを訪問する中国人旅行者数は思った以上に多くなりました。2017年は40%も増えましたよ。このまま増加し続けていくことを期待しています。」


マレーシア駐上海総領事館旅行領事、ザリナ·ドラフ·ジュディン

 マレーシア駐上海総領事館文化旅行処旅行領事のザリナ·ドラフ·ジュディンも科学技術の発展による旅行業の革新を熱望している。

 「中国とマレーシアの友好関係は600年前から始まったので、マレーシア人にとって中国は親しみを感じる国です。でも旅行といえば、まず交通手段を考えなければならないでしょう。残念なことに今は上海からクアラルンプールへの直行便が1本しかありません。2022年に中国は世界最大の水陸両用機を持つこととなると聞いたので、これから上海だけでなく中国のほかの都市からもより多くの航路が増えるように願っています。」

マレーシア駐上海総領事館文化旅行処旅行領事のザリナ·ドラフ·ジュディン

 中国の改革開放をひとことで表すと何か、という質問に対して、ザリナは「人生は40歳から始まったばかりです。」と話した。

(編集:W)