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【改革開放40周年40人】航空の申し子·徐軍:中国国産の大型旅客機に翼を広げ

2018年 7月 31日17:30 編集者:範易成

 1979年、子供だった徐軍は父に連れられて初めて上海を訪れた。家族とバンドで写真を撮ったが、当時の浦東には何もなかったことを覚えている。2010年、父親になった彼は国産大型旅客機のために、家族を連れてアメリカから上海に帰国。そして2018年、彼はハネウェルアジア太平洋地域における初の中国人副総裁になった。航空領域の専門家である徐軍は、中国のARJ21、C919の研究開発に取り組み、中国の航空事業発展のために力を発揮している。

取材を受ける徐軍氏

 中国の民用旅客機製造業は1950年代に発足した。1971年には国産大型旅客機の研究開発が開始したが、2002年に国産ジェット旅客機としてARJ21プロジェクトが設立されたのが中国民用旅客機の国産化研究開発のスタートと見られている。2017年5月5日、国産大型旅客機C919の試験飛行が成功し、中国の民用航空の発展は新たな段階に突入した。 試験飛行の日のことを思いだすと、徐軍は今でも気持ちが落ち着かなく、涙が出そうになる。当日は曇りだった。中国の航空業は様々な挫折を乗り越えてきた。中国はようやく厚い雲を突き抜けて大空へ飛び立つのだ、と徐軍は思った。

試験飛行当日

 徐軍が率いるハネウェルのチームは、C919の技術サポートの一部である。試験飛行の前日の夜11時頃、上海浦東空港では、中国商用飛機会社(中国商飛)とハネウェルのスタッフが最後の調整と検査を行っていた。作業は未明の4時まで続いたが、それは彼らにはもう慣れっこの事だった。 C919はこの2年間、引き続きテストをしてきたが、まだ克服すべき課題も残っている。C919の将来について徐軍は「C919はこれからいっそう完璧になり、市場での競争力が強くなるだろう。将来、中国商飛はボーイングとエアバスに次ぐ三つめの勢力として並び立つことになる」と語った。

C919試験飛行

 大型旅客機のプロジェクトは、今、上海ハイテク製造業発展の重点課題となっている。2018年5月、上海市経済情報委員会は「上海市航空製造産業チェーン3年行動計画(2018~2020)」を発表した。計画によると、上海の航空製造業総生産額は2020年に500億元、2035年には3000億元に達する見込みだ。さらに上海において世界に影響力を持つ航空製造産業群を創設する予定となっている。

仕事中の徐軍氏

 中国は以前の航空製品消費国から、いまや世界トップの飛行機物品やシステムの生産国に発展して来ている。そのプロセスは夢を叶えるための努力だ、と徐軍は考える。国家の面だけでなく、航空業界および航空関連の業者などが力を合わせれば、将来、中国の航空業は世界トップになれると信じている。

 改革開放から40年間で、いろんな夢が叶ってきた。徐軍は、「改革開放による政策を通じて、上海は今や航空製造業の革新センターになった」と言う。彼は世界でも一流の航空企業での経験を持って、中国航空業の発展に尽力するために海外から中国に帰ってきた。中国航空界の発展に役立ちたいというのが彼の夢であり、C919の研究開発は仕事として最高のプロジェクトであると同時に、彼の夢の実現でもあるのだ。

(編集:f)