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2018年 7月 25日9:39 提供:東方ネット 編集者:王笑陽
気になるニキビ跡や目尻のシワを消し、肌から体型までアプリでレタッチしてから自撮りの写真をSNSにアップすることは、いつの間にか現代人のソーシャルマナーのひとつとなった。これに対してカメラマンの嚴甄は、現代人は写真修正のアプリをやたらに使うことで自分の本当の顔を知らなくなり、真実を記録するという撮影の最初の目標も失われたと考えている。撮影対象とは一体何だろうか、真実を失った美しさか、それとも人間の本当の姿か、彼はそう問いかけながらカメラに向き合い続けている。
そして嚴甄は、人間の本当の姿を撮影するという思いに基づいて「又見自己(自分再発見)」という写真展を開いた。ここには美肌などの修正を一切しないポートレートが展示されていて、モデルの顔のシワやあざや傷跡などがすべてはっきり見える。彼はこのような写真を通して、人々に「本当の自分を再発見し、完璧ではない自分と和解しよう」という思いを伝えようとしている。
嚴甄の撮影プロジェクトにはこれまで276人が参加した。彼らの写真からは、一人一人の物語も浮かび上がってくるようだ。
フランキーは最初の参加者の一人だった。このプロジェクトに参加した理由は、彼と同様にプロジェクトに参加した自分の父親の写真を見たからだ。「写真を見た瞬間、悲しみがこみ上げて来た」とフランキーは話す。写真の父親は子供の頃から見覚えていた様子ではなかった。フランキーはその一瞬で父親の顔に長い歳月がもたらした跡を見た。そして強く感動して、自分も撮影に参加することにしたのだ。彼は撮影を終えてこのような感想を書いた。
「私たちはいつも仮面をかぶって外で働いている。家に帰っても自分の世界に引きこもって家族との交流は少ない。私たちを大切にしてくれる家族を本当に理解したことがあるか?そして自分の本当の顔をよく見ることがあるか?この撮影プロジェクトに参加してよかった!自分を再発見した。嚴さん、ありがとう!」
張雯も撮影に参加した一人で、これまで2回参加した。1回目の時、彼女は失恋したばかりだった。嚴甄がまだ何も言わないうちから、彼女はもうレンズに向かって声をあげて泣き出した。2回目は4ヶ月後。失恋の悲しみから立ち直った彼女は、笑い始まると止まらなくなった。その率直さはすべて嚴甄のレンズで記録された。
撮影の感想に張雯はこう書いた。「自分の写真を見たとき、ちょっと見慣れない感じがした。いつもの写真の中の自分とは違うが、今以上に本当の自分はいないと思う。肌のキメとシワ、悲しみと喜び、あらゆることは、私だ」。
写真展に来場した人は、もしこれらの写真や物語に感動して嚴甄の撮影プログラムに参加を希望するなら応募することもできるそうだ。
「又見自己」写真展
場所:上海興業太古匯(南京西路789号)
開催期間:7月6日~8月5日
(編集:W)