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W杯期間中ネット出前急増 上海の飲食業が好調

2018年 7月 13日9:14 提供:東方ネット 編集者:王笑陽

 6月14日からロシアで開催されている2018FIFAワールドカップだが、1ヶ月ほどの激闘を経て、今週の日曜日にようやく決勝戦を迎える。一方、中国上海。熱戦が繰り広げられるなか、夜遅くまで起きているのはサッカーファンだけでなく、出前配達人も。この1ヶ月間、特に試合が中継されている夜に、上海の街中では、赤や黄色や青の制服を着てバイクに乗る姿の出前配達人をよく見かける。W杯の開催中、彼らは未曾有の忙しさに取り紛れている。


月給2万元に

 スマホの普及によって中国ではネット出前産業が急増し、専門の出前配達人も多くなってきた。この仕事に従業するのはほとんどが若い男性だからかもしれないが、彼らは一般的に“外卖小哥”と呼ばれている。日本のある番組ではその呼称を「出前兄さん」と直訳していた。

 「まあ、俺も今回のW杯に参加したと言えるんじゃないか」と、出前兄さんの王思源は記者に対して冗談を言った。

 W杯が開幕してから、彼の生活は昼夜転倒のようになってしまったそうだ。それまでの仕事のペースは、大体人々が一日に食事を取る時間帯と合っていた。一般的には、昼食は朝10時半から午後2時まで、夕食は午後4時半から夜8時まで、夜食は夜9時からだ。だが、W杯が始まると、夜7時からの依頼が増加し、翌日の朝4時頃ようやく仕事が終わって借りている部屋に帰ってすぐ寝てしまうような生活になってしまった。

 「百度」、「美団」、「餓了么」の3社は中国ネット出前業界の三大柱だが、王思源は主に「隣趣」という出前アプリから依頼を受けている。その理由を尋ねると彼は、「隣趣での注文は普通より高いし、ときにお客さんからチップももらえるんだ」と答えた。客一人あたりの売上げが高ければ高いほど、出前兄さんの給料の一部である歩合も高くなるわけだ。

 そして、W杯のおかげで依頼件数も多くなった。「普通なら1日20件から30件程度で、400元(約6710円)ぐらい稼いでいる。しかし、今では一晩に40件で、600元(約1万円)も稼げるよ!しかも40件しかないということじゃない。依頼はいつも入ってくる。ただしこれ以上はできない。もう限界だ」

 王思源はこの1ヶ月で、およそ2万元(約33万5千円)を稼いだそうだ。

仕事の合間にW杯観戦

 莘庄地下鉄駅付近の夜食街。「餓了么」の出前兄さんの楊国強は、ある寿司屋の中で料理が出来上がるのを待ちながら、店内のテレビでW杯の試合を観戦している。彼の周りにはほかの出前兄さんもたくさんいる。みんな料理を待つ間、ここに集まって試合を見ているのだ。

 出前兄さんの中にもサッカーファンはいる。楊国強は記者に対して「俺もサッカーファンだ。でもお金を稼ぐためにはW杯を見ている時間はないだろう。店内で料理を待つ時やスマホなどで中継を見るのがせいぜいで、これまで最後まで通して見た試合は1つもない」と語った。

 王思源と違い、楊国強たちは中国ネット出前業界の三大柱である「百度」、「美団」、「餓了么」の3社に所属している。この3社はサッカーファンたちの「お腹を満たす」ため、W杯直前から宅配サービスを強化し、「深夜サービス」を始めた。深夜勤務の出前兄さんは午前0時から翌朝7時まで働くことになった。

オフラインのレストランも売上アップ

 出前兄さんたちの忙しさから、W杯のおかげで上海の飲食店の売上げが大きく伸びたことが分かってきた。そして「百度」、「美団」、「餓了么」、「隣趣」などの出前アプリのデータによると、ザリガニ、串焼き、火鍋、ビールは最も人気のある夜食だ。

 オンラインだけでなく、オフラインのレストランも追い風に乗っている。W杯期間中、増収狙いで数多くのレストランは営業時間を延長したり、美味しい物を食べながら試合を楽しめる大型スクリーンを置いたりして、顧客を招いている。例えば、南京東路にある火鍋店の「高老九」は営業時間を深夜2時まで延長し、そして目立つ場所に超大型スクリーンを置いた。経営者によると、店の来客は増えているそうだ。

 W杯期間中、上海の夜食消費額は全国トップになったことが明らかになった。

(編集:W)