ようこそ、中国上海!
2018新春

Home >> 新着 >> 上海

【改革開放40周年40人】上海中心のチーフデザイナー:マーシャル

2018年 7月 10日9:17 提供:東方ネット 編集者:王笑陽

 前書き:「改革開放」とは中国で1978年から開始された経済政策である。2018年は改革開放政策実施開始40周年にあたる。そこで東方ネットでは「改革開放40周年40人」と題したシリーズ報道を行う。シリーズ報道は経済、貿易、文化、教育、民間交流、科学革新などの各分野において中国改革開放の足跡を目撃した代表的な外国人40人を取材する。彼らの物語を通じて大きな時代の流れを描き出し、中国と上海が歩んできた40年間の発展と智慧を垣間見ようとする。


 上海中心、または上海タワーとも呼ばれている建築物は、上海の浦東新区に位置する超高層ビルで、高さ632メートル。2018年現在、中国では第1位、世界でも第2位の超高層ビルである。

 このビルのチーフデザイナーであるマーシャル·ストラバラ(中国名は馬遡)は、ここの34階で東方ネットの取材に応じた。彼は「你好(こんにちは)」や「谢谢(ありがとう)」と同じように、「上海中心」という言葉を、中国語の発音であっさりと口に出すことができる。

  東方ネットの取材を受けるマーシャル·ストラバラ

 マーシャル·ストラバラは、世界中に指折り数えるほどしかいない高層ビルのデザイナーである。高さ世界一のブルジュ·ハリファと南京市にある紫峰タワーも彼の傑作だ。

 マーシャルによると、エネルギー効率の向上や持続可能性を実現することは、上海中心を設計する当時の課題だった。そして、これは完工した上海中心の最大の特徴であると見なされている。高さ300メートル以上の超高層ビルで二層のガラス外壁を備えたのは上海中心が初めてだ。

 記者の質問に対してマーシャルは、「シンプルな建築物は作りたくありませんでした。エネルギーを節約できる建築物を設計したかったのです。エネルギー節約とは、これからの100年を考慮に入れるということです。私の計算が正しいなら、今後75年間でこのビルで節約されるエネルギーで、もう一本の上海中心を建築することができるはずですよ」と語った。

仕事中のマーシャル

 設計と建設に10年をかけて、2016年、この世界で最も高い持続可能なビルは完工。そしてグリーンビルディング領域において最高賞と言われるLEEDでCSプラチナ認証を獲得した。上海中心は1998年完成のジンマオタワーと、2008年完成の上海環球金融中心と並んで、陸家嘴金融貿易区の3大高層ビルとなった。

  (左から順に)ジンマオタワー、上海環球金融中心、上海中心

 実は早くも1990年代に、上海市政府は陸家嘴金融貿易区に3つのランドマークビルを建築するという計画を提案した。1990年4月、党中央と国務院は上海浦東の開発に関する重大な政策を決定。そして1993年12月、上海市政府は『上海陸家嘴中心区規劃設計計画』を承認した。この計画によると、陸家嘴金融貿易区は敷地面積が174万平方メートルで、建築面積が435万平方メートルとなっている。また3つの高層ビルを建築することも明確に記されている。

 わずか23年でという驚くほどのスピードでこの計画を実現できるとは、当時では想像し難かっただろう。マーシャルもこの「奇跡」の目撃者の一人だ。

 彼は「2001年に初めてジンマオタワーを訪れた時には、建設は思うようにならないようだったし、誰もここで生活なんかしたくないだろうとみんなそう思っていました。しかし今の陸家嘴は、皆に憧れられる場所となりました」と語った。

  一般競争入札の段階から、上海中心の設計は当時上海市委員会書記であった習近平に注目された

 2001年にマーシャルは仕事のために上海に住まいを移した。また、設計のために南京や杭州や天津など、中国の多くの都市を訪れた。彼の目には、中国の改革開放政策は大胆不敵unafraid)で驚くべき(amazing)ものと映っているようだ。「まず、改革開放が実施されてから中国の獲得した成果は驚くべきものです。そして、これまでにないこと、例えば高速鉄道や空港や超高層ビルなどを建設するというのは大胆不敵です。21世紀に入って以来、世界中に500メートルを超える建築物は5つしかないが、上海中心はその1つです」。

(記者:呉琼/編集:W)