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上海

上海敦煌文物展:莫高窟を高精度で復元

2018年4月2日 16:33
 提供:東方ネット 編集者:王笑陽

 莫高窟は中国の甘粛省敦煌市にある仏教遺跡で、敦煌石窟や敦煌千仏洞とも呼ばれている。敦煌は上海からおよそ3000キロ離れており、莫高窟を実際に見に行くのはなかなか大変なことだ。だが、4月28日から上海中心(Shanghai Tower)で開催される「敦煌文物展」に行けば、その魅力を窺うことができるかもしれない。

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 今回の展覧会に展示されるのはドキュメンタリー映画でもなく、写真でもなく、莫高窟の代表的な洞窟を原寸大で再現した複製物だ。現在、莫高窟第285窟と第220窟、楡林窟第29窟はすでに修復が完成しており、主催者側では、その四方を壁画に囲まれた空間を上海に再現して、来場者に時空を超越するような体験をしてもらいたいと考えている。銅奔馬「馬踏飛燕」を含む118点の国宝は、これから甘粛省から上海中心へ運ばれて来る予定だ。


莫高窟の壁に描かれた「飛天」(複製)

 展示される壁画は高精度デジタル写真で制作された。クローンと言っても過言ではない程で、想像を超えた華やかな世界に、来場者は震撼させられるに違いない。

 莫高窟第285窟

莫高窟第285窟の再現

 第285窟は、窟内に現存する銘文に、西魏時代の大統4年(西暦538年),大統5年(西暦539年)の年紀が記されている石窟で、紀年名を有する窟として莫高窟で最古のものとして知られている。前室と主室、そしてそれらを繋ぐ甬道から構成され、主室は幅6.3m、奥行6.4mの平面に伏斗(ふくと)式天井を持ち、最高部の高さはおよそ4.3mである。

  第285窟の壁画にある「人面鳥」、平昌五輪の開会式にも「平和象徴」として現れた

 莫高窟第220窟


莫高窟第220窟の再現

 第220窟は、莫高窟で最も重要な初唐の洞窟の一つである。1943年に宋代の壁画が剥がれ、その下に描かれていた初唐の壁画が発見された。現存部分は長い間宋画に覆われていたため、今なおはっきりした色彩を保っている。南壁の「阿弥陀浄土変相部分」は莫高窟内で最古で最大の西方浄土図である。

 楡林窟第29窟

楡林窟第29窟の再現


楡林窟第29窟壁画の復元

 楡林窟は敦煌莫高窟の姉妹窟といわれ、敦煌から170キロの楡林河の両岸に位置する。東壁に約30窟、西壁に11窟が現存し、うち1000平方メートルの壁画と1000体余りの塑像が残っている。唐、五代、西夏、ウイグル、宋の時代に開掘され、上下二層構造で莫高窟に似ている。代表的なのは第2、3、29窟で、西夏芸術のレベルの高さを垣間見ることができる。

 今回復元されたのは東壁の上層にある第29窟で、伏斗式天井を持ち、西夏の時代に開掘されたため、窟内の壁画は本格的な西夏の風格を持っている。