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上海

ぽっちゃり美人!組写真「団子を食べる唐代仕女」が話題に

2018年3月8日 16:18
 提供:東方ネット 編集者:王笑陽

 「今日は元宵節、お団子を食べようかな」

 「ダメダメ!もうこんなに太っているもの、これ以上食べられないわ!」

 「でも食べたいなあ…1つ、1つだけ食べてみようか」

 「美味しい!なんて美味しいの!」

 「あと2つちょうだい!2つだけ」

  …

 「ああ、つい全部食べちゃった!どうしよう…ダイエット失敗だわ!」

組写真「団子を食べる唐代仕女」 セリフは馨潤‐琉璃さんの微博、写真は敖珞珈さんから

 先日の元宵節に、38歳の敖珞珈さんは中国のツイッターである微博(ウェイボー)に組写真「団子を食べる唐代仕女」をアップしてネットで大きな話題になった。唐代の仕女図と俑にそっくりなことから、西安博物院や陝西歴史博物館などの文化機関にも転載されたほどだ。「唐代に戻ったら典型的な美人になるわ」「とても可愛い!服もステキだ!」などの好評が寄せられた。

 敖珞珈さんはファションデザイナーで、漢服のオンラインショップ「京渝堂」を経営している。界面新聞によると、敖珞珈さんは自分のように太っている女性にとって、体に合った服を探すのはなかなか難しいだろうと思い、敢えて大きいサイズの漢服をデザインした。しかし運営チームのメンバーにこういうデザインではあまり売れないだろう、と言われたので、思い切って自分がモデルになることを決めた。そしてプロの美容師と写真家に頼んで、唐代の「陶俑」(焼き物)と壁画を参照して唐代仕女を模した写真を撮ったそうである。で、その結果は予想外の大成功だったというわけだ。

京渝堂の経営者、敖珞珈さん自身がモデルに

 また敖珞珈さんのおかげで、漢服や唐代の陶俑と絵画などといった中国の伝統的な文化も、より多くの若者に知られるようになった。

 仕女とは、宮廷に仕える女性を指す。これを主題とした中国絵画のジャンルは仕女図と呼ばれ、隋·唐代から盛んに描かれるようになった。唐の張萱(ちようけん)と周昉(しゅうぼう)は仕女図の名手とされている。伝周昉筆『揮扇仕女図巻』(北京故宮博物院蔵)や、宋の徽宗が模写した張萱筆『搗練図』(ボストン美術館蔵)などの名作が伝わっている。

伝周昉筆『揮扇仕女図巻』、北京故宮博物院蔵

 隆盛を極めた唐の時代、人々は葬儀を重んじた。そのため、唐代の墓では焼き物で作った人形や動物や道具などのものが数多く出土する。中でも人の形をかたどった焼き物は「陶俑」と呼ばれ、仕女を主題とする陶俑もよく見られる。

 唐代の仕女図と陶俑の様子から唐時代の風俗と流行が分かり、どんなタイプの女性が美しいと考えられていたかも具体的に知ることができる。それでこの「加彩婦女立俑」にそっくりな敖珞珈さんの写真は、ぽっちゃりした唐美人の復活だ、と話題になったのだろう

加彩婦女立俑、京都国立博物館蔵

(実習編集:王笑陽)