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「上海·別府大学生書道展」が上海呉昌碩記念館で開催

2018年 3月 5日16:30 提供:東方ネット 編集者:王笑陽

 中国伝統の節句である元宵節(旧暦1月15日)に、上海呉昌碩記念館で旧友の荒金大琳氏を迎えて書道展が開幕した。荒金氏は日本の書道家で別府市美術協会会長であり、上海市白玉蘭賞の受賞者でもある。今回開かれた「缶翁に学ぶ――上海·別府大学書道展」には、弟子たちを連れて参加した。開幕式は、上海市人民対外友好協会の兪彭年副会長、浦東新区の諸迪副区長、浦東新区宣伝部の孫毓副部長などが出席し、挨拶を述べた。

元宵節に上海呉昌碩記念館に集まった中日の書道家と大学生

 約30年前の1997年、荒金氏は呉昌碩芸術への熱い思いを抱いて、上海市人民対外友好協会を通して上海呉昌碩記念館に連絡をとった。それ以来、荒金氏は毎年上海を訪れ、彼の努力により、上海の文化界も日本で数多くの展覧会を開くようになった。

 いっぽう上海呉昌碩記念館でも、別府大学、別府美術館、それに別府市の小中学校と協力して、数多くの文化交流イベントを開催してきた。特に2017年には、上海市と別府市の両方で「書画友好交流展」を開き、同年の12月に浦東新区の代表団が別府市を表敬訪問した。代表団の訪問期間中、上海呉昌碩記念館と日本別府市美術協会は友好交流関係協議書を交わした。これは上海市と別府市の行き来が、書画を中心とした文化交流にとどまらず、文化·教育·経済貿易·観光などの領域まで発展していくことを示している。

荒金氏

 今回の書道展は、中日平和友好条約締結40周年を記念して開催されたものである。展覧会に向けては、「缶翁」の敬称で呼ばれる呉昌碩に学ぶ、というテーマで、中日両国の大学生が書道の作品を制作した。主催側の話では、上海師範大学と別府大学の教師及び学生の作品、合計60点が展示されている。

 荒金大琳氏の弟子で、別府大学学生の隅田花織は、日本人大学生の代表として開幕式で挨拶に立ち、「私たちの作品が展示されているのを見たときに、感動と驚きで胸がいっぱいになりました。また、高式熊先生や韓天衡先生の作品と並べて展示させてもらっていることを、大変嬉しく思います」と語った。

荒金氏と弟子の隅田氏

作品を鑑賞する上海市人民対外友好協会の兪彭年副会長と隅田氏

 7年間書道を勉強してきた隅田は、展覧会に数点の作品を出展した。記者が展示されている自分の作品の中で、最も自信のあるのはどれかと尋ねると、迷わず「臨親子簡」の2作品を指さした。手本とした「親子簡」は敦煌で発見された竹簡に書かれたもので、作者は未詳だが、その内容から子供から親に宛てた手紙と判明している。隅田は親元を離れている子供が親へ寄せた思いをつづった内容に感動し、それを臨書しただけでなく、卒論のテーマとして研究も行ったそうだ。今年の4月に社会人になるが、書道を愛する彼女は書道の先生という職業を選び、書道という伝統的芸術を伝承して、より多くの子供に教えていきたいと語ってくれた。

上海師範大学の学生、黄迪と彼女の作品『呉昌碩題画詩三首』

 上海師範大学書道学科の学生である黄迪も書道の先生を志望している。今回の書道展には、書道学科の学生らと共に呉昌碩の書と詩の臨書を持ってきた。黄迪によると、書道学科は上海師範大学の特色ある学科の一つとされ、書道専攻の学生には子供の頃から書道を勉強し続けてきた人が多く、彼女自身も10年ほど書道を学んでいるという。黄迪はまだ学生だが、ときに子供に書道を教えることがあるそうで、将来は隅田と同じく、書道を趣味から仕事にしたいと考えている。

日本別府市美術協会の後藤鶴心氏

 書道教育といえば、日本別府市美術協会の後藤鶴心氏は豊富な経験を持っている。彼によると、自運の前には中日両国の古典を臨書して、徹底的に理解することが大事だという。また、日本語には漢字のほかに仮名もあるので、日本人が書道を勉強するときには、臨書の対象や創作の形が中国人と比べて幅広い、とも語った。

 今回の「缶翁に学ぶ――上海·別府大学書道展」は上海呉昌碩記念館、日本別府市美術協会、上海市大学生書道教育協会などの主催、上海市人民対外友好協会と上海市浦東新区文化広播影視管理局の支援で行われているもので、3月7日まで開催される予定だ。

  (実習編集:王笑陽)