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上海

【中日双語】ALIAKE演奏会 尺八の復活

2017年11月24日 9:33
 提供:東方ネット 編集者:王笑陽

  12月1日、日本の有名な尺八演奏家である小湊昭尚と彼のバンドALIAKEが、上海メルセデス·ベンツ文化センターで初公演を行う。

 

  ALIAKE演奏会ポスター

 小湊昭尚は日本における尺八の若い演奏家の代表として、伝統音楽と現代音楽の特徴を兼ねた音色を尺八で表現している。これまで日本の人気アニメ『怪盗キッド』、『ヘタリア』をはじめ、人気ゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』などの音楽をプロデュースした。

 ドキュメンタリー『尺八·一声一世』

  佐藤康夫による『一声一世』の演奏

 今月上旬、小湊昭尚、佐藤康夫、長須与佳、星梵竹、含軒など中·日·米3国の尺八演奏家らが、北京のジャズの聖地と言われるBlueNoteで行われたドキュメンタリー『尺八·一声一世』のお披露目会に参加した。当日は会を主催した天人恵致会社が、『尺八·一声一世』という中国初の古風音楽ヒューマンドキュメンタリーの予告編を発表。制作者は、このドキュメンタリーの完成には約1年費やして日本へも10回以上取材に赴いた、と述べ、一般上映開始は2018年3月の予定だ、と話した。

 中国:失われた尺八

 尺八は中国が起源の竹製の木管楽器の一種である。名称の由来は、標準の長さが一尺八寸(約54.5cm)であることで、もの寂しさを感じさせる音色が特徴だ。日本では尺八が法器として普化宗に属する虚無僧のみが演奏するものとされた時代もあった。つまり、尺八は禅の外在化されたものの一つとも目されている。

 尺八の中国の起源は東漢という説があるが、これに関する最も早い記載は『新唐書·列伝』の第32巻にみられる。中国の隋唐時代には尺八は重要な宮廷の楽器として流行したが、宋に入ると尺八に関する記述が唐代と全く異なるようになり、簫(しょう)と笛の別称となった。現在日本東大寺の正倉院には6孔3節の尺が8管収められており、簫と笛とは異なっていることから、中国では宋代から尺八の伝承が途切れたことが推察される。

  日本東大寺の正倉院に収められた尺八:玉尺八(右)、尺八(中)、樺纒尺八(左)

 尺八が日本に伝えられた経緯に関しては、中日双方の史料に記載されている。唐で長年音楽を学んだ吉備真備、藤原貞敏など日本の遣唐使が帰国する際、唐の皇帝から尺八を贈られたことが日本に伝来した由来である。

 尺八の復活

 中国での伝承は絶えたが、日本では尺八が今日まで伝えられて来た。それだけでなく、今では日本の人気アニメの音楽、例えば『NARUTO‐ナルト‐』のテーマソングなどで、尺八は若者にもよく知られるようになった。

 ドキュメンタリー『尺八·一声一世』の監督でプロデューサーの天人恵致会社創始者·Helen(聿馨)は、北京でのお披露目会で作品を制作した気持ちについて、「尺八の起源は中国だが、中国では尺八が失われてしまった。これからはより多くの人が尺八という楽器を知って、好きになり、さらには学んでみてほしいと思っている。」と述べた。

 尺八という楽器は過去の中日友好交流の歴史を語っている。これからこの一度は失われた楽器をどのように復活させるかということが中国にとって重要になるのではないだろうか。

  (実習編集:王笑陽)


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