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人材の現地化を強化し販売ルート拡大 カネボウ中国上半期の売上げ50%増

2017年 9月 14日13:11 提供:東方ネット 編集者:範易成

  東方ネット14日付:現在、中国における化粧品業界の競争は激しさを増している。その中で、今年が中国進出30周年の節目に当たるカネボウでは、2017年上半期の中国市場の売上げが同期比50%増を記録した。このほど、カネボウ中国の中村泰総経理は東方ネットとICSのインタービューに応じ、売上げ増加の理由や中国での経営方針などについて幅広く語った。

中村氏

  記者:2017年上半期、カネボウの中国市場での売上げが同期比50%増となった理由は何だとお考えでしょうか。

  中村氏:カネボウは現在、中国での人材現地化を強化しています。多くの中国人社員が本部長まで任命されていますが、彼らは日本人社員より現地の状況をもっと理解しています。これにより消費者のターゲットを高級品愛用者から80后、90后の若い層にスイッチしました。ブランドをフリープラス、KATE、アクアスプリナに絞り込み、主力流通も実店舗を直営百貨店から代理商とチェーン店にシフト、さらにEコマースの強化を重視して販売ルートを拡大していることなどが売上げ増の理由だと思います。


  記者:今年はカネボウの中国進出30周年の節目ですが、中国の化粧品業界は競争も激しくなりつつあります。貴社の主力商品と競争を勝ち抜く手段はなんでしょうか。

  中村氏:まずは20~30歳台の方々からの支持をさらに拡大すべく、現在の3ブランドの強化を継続します。加えて今の愛用者が30台、40台になった時に信頼されるブランドを導入、強化していく予定です。


  記者:これからの中国市場で、マーケットの中心をどこにおきますか?これからも大都市中心か、それとも中小都市での販売拡大を目指すのでしょうか?

  中村氏:大都市には情報発信の拠点となる旗艦店を設置します。ここを拠点として代理商と協力しながら周辺各地に店舗を拡げます。それと連動しながらEコマースの強化を図り、中国全土のお客様に販売できる体制を作っていきます。


  記者:今中国でweibo,wechatなどSNSを利用して、自社の製品を宣伝する会社がだんだん多くなっています。貴社もメディアというツールを活用して、PR活動をしていますか?

  中村氏:はい、今の中国市場ではデジタルマーケティングを抜きにして宣伝·広告は語れないと思っています。一例を挙げると、フリープラス、KATE共にネット上でイベントの生放送を実施して大変多くの方たちに視聴頂いています。


  記者:中村氏にとっての「きれい」とは?女性はどうやって「きれい」になるのでしょうか。

  中村氏:化粧の習慣やテクニックはとても大切ですが、本当の「きれい」はその人の生活や生き方が合わさって完成されていくと思います。50代60代になっても美しい女性は、皆さん自立して素敵な生き方をしているように感じます。カネボウはそういう方たちを応援できる会社になりたいと思います。


  記者:中国での業務に行き詰ったときがありますか?その時はどうやって乗り越えたのですか?

  中村氏:中国でのビジネスはとても難しい反面、成功した時には大きな実績が得られます。自分一人で出来ることは限られていますが、社員の皆が力になってくれます。カネボウの社員は皆、素晴らしい力を持っています。この力を結集して難局にあたることで今まで多くのことを乗り切ってきました。


  記者:今多くの化粧品会社は自社の業務を拡大しています。化粧品以外に服、靴などの業界にも進出しています。貴社には業務拡大の計画はありますか?それとも化粧品業界に専念するお考えですか?

  中村氏:昨年からパンストの販売を始めました。これは日本でカネボウが製造、販売しているストッキングが中国のお客様に大変に人気があり、ご要望も多かったことから輸入することにしたものです。今後もこのような商品がありましたら、輸入していきたいと思いますが、あくまでも化粧品中心のビジネスであることに変わりありません。


  記者:今中国では供給側構造改革、日本語でサプライサイド構造改革が政府にとても重視されています。中国政府は企業のコスト低減支援や、有効供給の拡大などの具体的な措置を打ち出しました。これらの政策が実施されている中で、日系企業として経営方針に何か影響を受けますか?

  中村氏:中国政府の方針は鉄鋼等の生産過剰産業を効率化し、日用品等の不足産業を強化すると読み取れます。今後の我々のビジネスの中で政府の方針を理解して進める必要があります。まずは、現地生産ブランドであるアクアスプリナの拡大強化を図りたいと考え、今年から販促投資を強化しています。


  記者:カネボウ中国の次の30年の発展計画をお聞かせください。

  中村氏:カネボウ本社が目指しているのはアジアでNo.1の化粧品会社です。この中で中国を最重点国として取組みを進めていきます。売上げの拡大はもちろん目指しますが、中国の人々のライフスタイルの変化に対応して、みなさんに喜んでいただける化粧品会社を目指します。化粧を心から楽しんで信頼できる化粧品会社になることで、売上げの拡大も必ずついてくると信じています。

(編集:范易成)