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上海

「映画は世界で一番コミュニケーションできる!」=三島有紀子監督の独占インタビュー

2017年6月20日 10:11
 提供:東方ネット 編集者:兪静斐

 6月18日、上海国際映画祭日本映画週間のオープニング映画『幼な子われらに生まれ』の三島有紀子監督が中国のファンと交流した。

 日本では未公開の『幼な子われらに生まれ』が上海の日本映画週間で上映されたことに対し、監督は「非常に光栄です」と語った。

 Q:今回のオープニング映画『幼な子われらに生まれ』の見所は?

 物語は中年サラリーマンと再婚した妻を主人公に、それぞれの元妻と元夫、さらに親の違う子供たちをはさんで、悩み葛藤しながらもゆっくり前へと進んでいく姿を優しいまなざしで追いかけたヒューマン·ストーリーです。家族の記録をできるかぎり、演技も嘘の無いようなドキュメンタリーのように撮影しているのが見所ではないかと思います。家族だったり、人間と人間の関わりがどういうものかを感じられる映画です。ぜひ楽しみにしてください。

 Q:今回の主演二人の演技については?

 田中麗奈さんは見た目のようにとても意志の強い方で、奈苗とは真逆の性格です。奈苗は自分では何も決められない、夫に寄りかかっている女性ですから、今回は新しい田中さんが見られるのではないかと思っています。

 浅野忠信さんは世界的に活躍している名優ですので、どんなキャラクターを作ってくれるのか楽しみながら、一緒に現場を過ごしました。

 Q:映画撮影中に苦労したところは?

 実はたくさんあります。原作は21年前の作品なので、働く場所のシーンなども難しかったです。21年前には子連れの再婚はまだ少なかったけど、今は離婚率も高くなり、子連れで再婚する人が非常に多くなりました。今こそ、この原作を映画すべきだと思います。

 Q:上海国際映画祭は2回目の参加になりましたが心境は?

 すごく嬉しいです。もう一度呼んでいただいて嬉しいし、また上海の映画を愛する皆さんに会えるし、上海の町を歩いてもとても情熱的に感じられます。この映画がそんな上海の皆さまに届き、皆さまに育てて頂いて、やがて中国の皆さまの心に届けば嬉しいです!

 Q:日中映画交流について感想をお願いします。

 私は小さい時から中国映画を見ていました。中国のチェン·カイコー(陳凱歌)監督の『覇王別姫』、チャン·イーモウ(張芸謀)監督の『菊豆』が好きで、特にフォ·ジェンチー(霍建起)監督の『山の郵便配達』(中国原題:那山、那人、那狗)と『ライフショー』(生活秀)が大好きです。私は中国の映画を見て、中国の文化を理解してきました。一番嬉しいのは、中国人も日本人も人として同じ感じ方をする点で、同じように共鳴できるのはとても大事なことだと思います。映画というものは本当に世界で一番コミュニケーションできる媒体で、国境の制限を受けません。映画を通して日本文化を知っていただきたいし、日本人の人間性を知っていただきたいと思います。私自身が中国映画で力強い中国の方の生き方に励まされて、生きて来られたところがありますから。

 Q:第20回上海国際映画祭に対するメッセージをお願いします。

 本当に映画を愛する人たちがたくさんいて、映画を作るエネルギーをいつももらうことができます。そして、そのエネルギーを映画に返せるよう、これからも頑張っていきたいです。

 インタビューの最後に、監督は上海に対する印象を次のように語った。「上海は2回目の訪問になりますが、とても素敵な街だと感じます。前回は松江にある上海影視楽園に行って過去から未来まで感じることができました。もし機会があったら、上海でロケができたらいいなと思っています。」