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「日中文化交流」特別講演が上海大学で開催

2016年 4月 16日14:22 提供:東方ネット 編集者:兪静斐

 4月15日午後、日本版ミシュランガイドで選ばれた料理界の巨匠、柿澤一氏を特別講師として、上海大学で「日中文化交流」をテーマとした講演が行われた。今回のイベントは上海市人民対外友好協会成立60周年イベントの一環として、万博出展企業で醤油メーカーとして有名なキッコーマン社が主催した。

料理界の巨匠、柿澤一氏

 講演で柿澤氏はまず「伝統」について述べた。上海はイノベーション都市の建設に力を入れ、グルメの革新も盛んである。昔から守り続けているものも果敢に革新する。つまり「守りながら、進化」している。グローバル都市上海においては、今後も様々な文化の出会いとぶつかり合いがますます頻繁に行われ、多元化した文化が発展するだろう、と語った

 また柿澤氏は自身の経験についても語った。2010年上海万博終了後、日本に帰国したが、翌年2011年に東日本大震災が発生した。その時、当時料亭·紫で働いた上海大学の学生からたくさんメールをもらった。「先生、大丈夫ですか。荷物を持たず、家族を連れて上海に逃げて来てください」と、心配の声をかけてくれた。その感動の気持ちから、これからは「恩送り」をしようと決心した。一人に「恩返し」するのではなく、周りの数多くの人に「恩を伝えたい」ということだ。

 受講者は日本語学部の学生で、みな何らかの形で日本や日本文化に興味を持っている。意見交換では、まず、身近なところで日本食について知っていること(知識)、食べたことがあること(経験)、持っていること(気持ち)をグループの中で披露しあった。そして「日本への旅行」という課題で、行きたい場所、行きたい理由等について意見を交換した。最後に「日中の文化比較」を課題に、それぞれ5つ良い点を学生らに述べさせて、文化の融合に関して話し合いを深めた。

 一方で学生からもいろいろ面白い話が出された。たとえば、日本人学生の代表は、日本の技術は先進的で、スマホの普及も早い。しかしアプリに関しては中国の方がより発達していて、携帯支払いとか、デリバリーアプリがとても便利で、本当に感動した。ネットサービスは中国がリードしていると思う、と述べた。また中国人の学生は、和食の美味しさと食材の安心、安全、そして日本料理店のサービスを高く評価した。

 食文化交流について述べると、キッコーマン社は2010年の上海万博において「食文化の国際交流促進」を理念に掲げて、一人3000元のコース料理を提供する高級日本料亭「紫MURASAKI」を開店。ワシントン日本大使館の総料理長を経験した柿澤氏が総支配人を務めた。そして当時、17人の上海大学の学生が3ヶ月間、料亭のスタッフとして日本のサービスを経験したが、彼らはその後社会に出てから、ここで学んだマナーの知識を職場で十分に活用したのである。

 万博の後にキッコーマン社は、上海大学に「KIKKOMAN 紫MURASAKI」基金を設立し、今年で6年目に入った。基金は日本語学科の奨学金のほかに、優秀な学生の日本研修にも提供される。また年に2回、食文化など国際交流をめぐって、特別講演も開催される。

  キッコーマン海外管理部の深澤晴彦部長は「文化には好き嫌いがあるかもしれませんが、良い悪いはありません。人と人の人間関係は付き合ってからスタートします。自国文化を十分に理解したうえに、相手に伝えることができます。また、これからのグローバル社会の中で、考え方や価値観を融合させて、より大きな付加価値を生み出す。文化を大事にして、その可能性とすばらしさに気づきましょう。」と述べた。

記念写真

 (兪静斐写真も)