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歴史直視と戦争の反省に終わりなし

2018年 8月 17日16:04 提供:新華網日本語

今年の8月15日は日本が無条件降伏を宣言して73周年の記念日になる。日本政府は東京で「全国戦没者追悼式」を開催した。安倍晋三首相は式辞で「戦争の惨禍を、二度と繰り返さない」と強調したが、今年も「加害責任」には触れず、「不戦の誓い」にも言及しなかった。来年4月に退位が決まっている明仁天皇は4年連続で戦争への「深い反省」を表した。

日本の専門家と世論は、日本の敗戦から長い年月がたったが、日本政府と政府要人は依然として侵略の歴史に正しく向き合い、深く反省することで、中国を含むアジア諸国との真の和解につなげるべきだと指摘する。

  ▽天皇と首相、異なる姿勢

1994年に就任した村山富市首相以来、歴代の首相は皆、日本の敗戦の日(終戦記念日)の式辞の中でアジア諸国に対する日本の戦争責任に言及し、「不戦の誓い」を繰り返し表明してきた。しかし安倍氏は2012年12月の第2次安倍内閣発足以降、2013年の「8・15」の式辞の中で上述の表現を取り消し、日本の「加害」責任を曖昧にしてきた。今年の「8・15」の式辞で、安倍氏は6年連続「加害」責任と「不戦の誓い」への言及を避けた。

これと対照的なのが明仁天皇の「おことば」だ。かつて日本の天皇の追悼式での「おことば」は長年、基本的に同じ言葉を踏襲してきた。しかし2015年、明仁天皇は慣例を破り、「8・15」の「おことば」の中で初めて戦争への「深い反省」に言及した。今年、84歳になる高齢の明仁天皇は「戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ」という新たな表現に続けて、4年連続で戦争への「深い反省」を表明した。

日本の歴史学者、山田朗氏は、これは明仁天皇退位前の最後の終戦記念日式典への出席になると説明。明仁天皇が戦争への深い反省を引き続き強調した意図は、日本社会に平和を大切にし、戦争を深く反省する姿勢を保ち続けるよう呼びかけていると見る。

これと比べて安倍氏の式辞は戦争の歴史について「中立的」な表現に偏り、戦争の(侵略という)性質の問題などには具体的に触れていないと山田氏は指摘する。

明治大学特任教授の纐纈厚氏は、日本の侵略戦争によって被害を受けたアジア諸国の人々に対し、首相は式辞で哀悼の意を表すべきだが、安倍氏は日本人にしか焦点を当てていないとする。これに対し明仁天皇の「おことば」は、戦争の惨禍を繰り返さないようにとの日本人への忠告に重点が置かれ、歴史認識について言えば、天皇の言葉は首相より明らかに「深い」と纐纈氏は見る。

  ▽省察と反省に終わりはない

日本では戦争を体験した人が減り続け、歴史の記憶の継承は難しさに直面している。「未来を指向すべきで、過去にこだわるべきではない」といった雑音が絶えない。

歴史を認め、直視することは日中両国の国民が理解を深め、相互信頼を強化する大前提だと纐纈氏は指摘し、また日本政府と各界は歴史を直視し、今年が「中日平和友好条約」締結40周年の重要な節目であるのを生かし、積極的に両国関係のさらなる改善と発展を推し進めるべきだとの考えを示している。

山田氏は、この数年、日本国内で戦争に対する省察は「被害」意識に偏り、「加害」責任の認識は薄れる一方だと述べた。戦争は中国や他のアジア諸国により深刻な被害をもたらしており、こうした史実に言及することこそ日本の首相の取るべき反省の姿であり、歴史を鑑とし、侵略戦争を反省することは、日本が関係各国と相互信頼を築く礎だと山田氏は考えている。

あるアナリストは次のように指摘している。両国共同での努力の下、中日関係には現在、顕著な改善の勢いが表れている。日本は必ず侵略の歴史をしっかりと直視し、深く反省すべきであり、そうしてこそ中日関係は正常な軌道に戻り、長期的で健全かつ安定した発展が可能になるという。(記者/沈紅輝)

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