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日本メディアが「毒ガス島」の歴史を暴露、各界から再認識の声

2017年 8月 21日11:36 提供:新華網日本語

新華網東京8月21日(記者/王可佳楊汀)日本の瀬戸内海沿岸、広島県と愛媛県の境に位置する大久野島は風光明媚な観光地である。しかし、第二次世界大戦中、ここには日本軍の毒ガス製造工場があった。このため、大久野島は「毒ガス島」とも呼ばれている。

連合軍の空爆を避けるため、島中の関係する施設はすべて迷彩色に塗られていた。化学兵器の製造や使用の事実を隠すため、日本当局はかつてこの島の存在自体を地図上から抹消していた。

日本のTBSはこのほど、「毒ガス島」の歴史に関するドキュメンタリー番組を放送した。番組では、女優の綾瀬はるかさんが大久野島を訪れ、多くの戦争経験者にインタビューした。

「この島は今、豊かな緑に覆われていますが、以前はむき出しで何もありませんでした。昔は島に毒ガスがあって、樹木が育たなかったからです。」今年91歳になる藤本安馬さんはこう語る。

藤本さんはかつて、毒ガスを製造する少年兵だった。彼は、「毒ガス島」の残酷な歴史を知る数少なくなった歴史の証人の一人である。

戦時中、約6700人がこの島で働き、毎日24時間毒ガスを製造していた。

藤本さんは今でも、当時製造していた強烈な毒ガス「ルイサイト」の化学方程式を暗記している。

「私はこの化学方程式を絶対に忘れられないのです。本来は自分が生きていくために学んだのですが、最終的には中国人を殺すために毒ガスを作ったのであり、私は完全な犯罪者なのです。」

番組スタッフはまた、中国河北省定州市北タン村も訪ねている。中国に侵略した日本軍が毒ガスを使用し多くの住民を殺害した場所である。

当時、村民は日本軍の来襲を知り地下洞に逃げ込んだが、予想外にも日本軍が毒ガスを投げ込み、多くの村民は逃げ場を失った。毒ガスから逃れるため村の中にある井戸から這い出した村民も日本軍にみな殺され、井戸は死体で埋まり、井戸の水は血で真っ赤に染まったという。

千人を超える村民が日本軍に惨殺された。

日本軍は、中国のその他の地区でも毒ガスを使用した。しかし、関連資料は戦後に故意に破棄され、「毒ガス島」の工場も破壊され、貯蔵されていた毒ガスも破棄された。日本軍の残忍な行為はこのように隠蔽され、これらの悪行は藤本さんのような体験者の記憶の中だけに留められた。

藤本さんは「私は毒ガスを製造し、中国人を殺したことがあります。」と語り、また、「これは紛れもない事実であり、ゆがめることのできないものです。」と語った。

NHKが放送した731部隊の暴行を暴露したドキュメンタリーと同じく、「毒ガス島」をテーマにしたこのドキュメンタリーも、過去の歴史について考えるよう多くの人を動かした。

多くのネットユーザーは、日本人がこの歴史を知るべきであり、語り継いでいく義務もあると反応した。

綾瀬はるかさんは、「藤本さんはインタビューの中で、自分が加害者だったことを何度も強調し、戦争の悲劇を繰り返さないために、自分の体験を伝え続けています。

「藤本さんのお話を聞いて、戦争がどんなに怖いものなのか、そして平和のありがたさを改めて感じました。多くの人に藤本さんのお話を聞いて欲しいと思いました。」とコメントしている。

作家の山崎雅弘氏はインターネット上で、「最近放送した731部隊などのような戦争をテーマにしたドキュメンタリーはみな新たな未来に向かうために過去の暗黒の歴史を直視している。しかし、戦前、戦時中の思想を受け継いでいる一部の人たちは依然として、かつて自国を破滅に向かわせた暗黒の歴史に目を向けようとしない。」と発言した。

日本僑報社の段躍中編集長は、日本のメディアがこれらの番組を放送したことは、日本の主流メディアに反戦思想が存在することを示し、また、日本国民の良心に衝撃を与えて、日々の生活の中でより積極的に歴史を振り返るよう促すと同時に、日本の民間の反戦のエネルギーに対しても一種の激励となったと述べた。

ただ、段躍中編集長は、次のようにみなしている。これらの番組の放送により、日本軍の戦争の罪を暴露し、反省することが終わるわけでなく、これはきっかけに過ぎない。人々が番組を見て啓発や感化を受けるなら、より一層歴史を掘り下げ、真実を取り戻せるかもしれない。

(新華社より)