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AIIB(アジアインフラ投資銀行)の最新情報 米トランプ新大統領下の加盟行方は焦点へ

2016年 11月 21日15:44 提供:東方ネット 編集者:範易成

  事実上、下表の案件事例で示す通り、下半期では、上記4案件に加え、世銀、ADB、EBRDとの協調融資案件が更に積み増された他、世銀グループのIFCや商業銀行との初の協調融資案件も組成し始めた。資金提供先はより一層の拡大と多様化が見られるようになった。

  下半期の4融資案件の中で、7月には、インドの送変電線のキャパ増強案件(AIIB単独融資額:1.5億米ドル)、9月には、カザフスタンの交通·産業·貿易輸送用道路の建設案件(AIIB融資額:6.5億米ドル。世銀との第3弾/IBRDとの第2弾の協調融資案件)については、AIIBで当該プロジェクトの概念設計に対する承認を得て、董事会での最終承認待ちとなっているが、以下の2案件は、9月27日現在、同董事会での新たな承認を得た。

·パキスタンの水力発電拡張案件(AIIB融資額:3億米ドル。世銀との第2弾の協調融資案件)

·ミャンマ-のコンバインドサイクルガスタービン(CCGT)発電所プロジェクト(AIIB融資額:2,000万米ドル。世銀グループIFC(初)、ADB(第2弾)、商業銀行(初)との協調融資案件。)

尚、10月12日に同行が公表した融資金額がまだ明確になっていない新規案件には、5件(インドの電力案件1、インドネシアのダム、地域インフラ関連案件2、オマーン鉄道·港湾案件2)があった。

  3.中国政府のAIIBに対する支援策

 今年6月25日にAIIBの前記年次総会に合わせ、中国財政部は、AIIBに対する支援の意思を示す為に、同行の低所得加盟国のインフラ整備案件の為に設けた「AIIB案件準備特別ファンド」(AIIB Project Preparation Special Fund)向けに、5,000万ドルの義捐金を寄付する協議書に調印した。中国財政部史耀斌次官は当該義捐金が、特に低所得加盟国の国家インフラプロジェクトの資金不足への支援を目的としたものであると用途を説明した。

  4.AIIBの下半期以降の注力分野

 2016年下半期以降のAIIBの主なタスクは、以下の3分野に注力しようとしている。

 4-1. 前記した加盟国数及び融資案件実施地域の拡大

 現在の加盟57カ国に加え、更に東中欧、北南米、アフリカからの加盟申請国が見込まれる。

 今後、一帯一路沿線のアジア、欧州諸国を中心に、融資案件を実施していくが、欧州、北南米、アフリカの地域国際開発銀行とも連携し、アジアと関連性ある(アジアからの、またはアジア向けの)非アジア地域のインフラ·産業整 備案件への対応も目指していく。

  また、グローバルなインフラ整備機構の構築を目指し、世界中のインフラ案件のコネクションを図るロードマップに対するグランドデザインができるよう枠組みの創設に積極的に関与していくと予想される。