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AIIB(アジアインフラ投資銀行)の最新情報 米トランプ新大統領下の加盟行方は焦点へ

2016年 11月 21日15:44 提供:東方ネット 編集者:範易成

  まず、金総裁が言及した上記AIIBのBoard of Directors(董事会)は、上半期に承認済の最初4案件の同行合計融資額は、5.09億米ドル(+各種費用、合計約7億ドル)。他との協調融資総額は、9.22億米ドル、4件の総工事費見積額は、23.84億米ドル。年間ベースの同行融資予想額は、12億米ドル又はそれ以上の規模になるとのこと。

  一方、来年度以降の融資規模については、同行の発表によると、25億ドル以上/年。 5-6年後には更に100億ドル/年と年々拡大する見通し。

  承認済4案件の実施国·地域を見ると、南アジア(Bangladesh/Pakistan 2件)、東南アジア(Indonesia1件)、中央アジア(Tajikistan1件)。同行の設立趣旨に沿ったインフラ融資先の分布である。案件の資金ソースは、申請国の自己資金の他に、3件はAIIBが、世界銀行(World Bank)、アジア開発銀行(ADB)、欧州復興開発銀行(EBRD)などとの協調融資であり、一件(Bangladesh)はAIIBの単独融資であった。

  この4案件の中で、最も注目されたいのは、AIIBが最初の実施案件(Pakistan PJ)の協調融資パートナーは、他でもなく、日本財務省が主導するアジア開発銀行(ADB)であった。AIIBをADBのライバル視する日本政府·財務省にとっては、対AIIBの表向きの姿勢はともかく、実務面では最初にAIIBと共同歩調を取っており、今後ともアジア地域でのインフラ整備ニーズに協働しながら対応していこうとしていることは、実質的に方針転換とも見られる出来事である。

 この連携を実現した背景には、同省財務官出身の中尾ADB総裁の現実的で、賢明な判断(同行には国·地域毎に投融資制限枠がある為の措置)があったことと、2003-2008年ADB South, Central and West Asia担当の副総裁も務めたAIIB金総裁との信頼関係もあったこと、更に金氏自身にも日本財務省·ADBとの間に優れたコンミュニケーション·協調能力があったこととは、無縁ではない。賞賛に値する動きである。

  上記協調融資案件は、今後のアジア地域でのAIIB/ADB/民間金融機関等の金融機関同士の協力事業にとって有益な手本となり、また、日中両国政府間の海外地域金融協力事業にとっても建設的な指向性が示された出来事である。