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中米関係、米国は南中国海ばかりに目をつけるべきではない

2016年 6月 6日20:52 提供:新華網日本語

  新華網北京6月6日(記者/馬玉潔邰背平)カーター米国防長官は4日、シンガポールでIISSアジア安全保障会議(シャングリラ会合)に出席した際、中国の南中国海での行為は「自らを孤立させる万里の長城」を築くものだと非難した。これに対し、会議に出席した専門家は、カーター国防長官による非難の発言には全く道理がなく、米国は南中国海争議ばかりに目をつけるべきではなく、中米は安全保障や他の分野において幅広い協力の空間を持っているとの見方を示した。

  カーター国防長官の非難にはまったく道理がない

  シンガポール国立大学リークアンユー公共政策大学院の特任教授で、アジア・グローバル化研究所所長の黄靖氏は新華社記者のインタビューに応じだ際、カーター氏のような考え方は比較的一方的で、米国の観点を代表したにすぎないとの見方を示した。

  中国国防大学戦略研究所の鹿音副研究員は、カーター国防長官の非難が中国の政策に対する誤読であり、中米間で合意した新しい大国関係の構築という共通認識に違反し、米国が提示するアジア太平洋の共同の繁栄という目標とも合致しないと指摘した。

  米国が再三に強調する「航行の自由」について、黄靖氏は航行の自由は保障されるべきだが、一つの国の「自由」が明らかに他国にとって脅威になるならば、その「自由」に疑念を抱くと指摘した。

  中米協力は紛争より重大

  会議に出席した専門家は、南中国海問題に関する紛争は、中米関係の一部分だと指摘した。中米は各分野で緊密に関係しており、安全保障分野においても十分に大きな協力空間があり、双方の協力は南中国海問題に阻害されるべきではない。

  この数年間に、一貫して「アジア安全保障会議」(シャングリラ会合)準備委員会の業務に参加してきた黄靖氏は今年のシャングリラ対話は南中国海を会議全体の議題に位置付けておらず、サブフォーラムの議題として扱うのみで、実質的にこの問題を縮小していると述べた。

  専門家らはカーター国防長官は南中国海問題で中国を理不尽に批判したが、中国との「紛争」に関する討論はその30分の講演のうち、わずか一部分だったことに注目した。カーター国防長官は中米間の軍事協力は今に始まったことではなく、既に久しくなり、両国は多くの国際的な議題において協力の潜在力があり、中米はアジア大平洋及び安全保障方面の擁護において、相互に協力する必要があると述べた。

  英国国際戦略研究所の鐘偉倫高級研究員は次のように指摘した。中米関係は非常に幅広い分野をカバーし、南中国海問題だけに限定されない。双方はある問題については合意できないかもしれないが、インターネットセキュリティー、朝鮮核問題、気候変動などのその他の重要な議題において相互に協力できる。「簡単に言えば、中米間は南中国海問題で紛争があるが、私は両国間の関係は十分に幅広く、緊密で、十分に多くの協力メカニズムを通じて大同を求め、小異を残すと確信している。」と語った。

  (新華社より)