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(新華国際時評)「アジア太平洋リバランス」はオバマ政権の「負の遺産」になる

2016年 6月 6日9:47 提供:新華網日本語

  新華網北京6月2日(新華社記者/柳丝)最近、アジア太平洋地区は米国高官の「出張」が集中している。オバマ大統領は先にベトナムと日本を訪問し、それに続いて、国防省のカーター長官がシンガポールで開催される「シャングリア対話会」に出席する。予想に反しなければ、オバマ大統領は年内にもアジア太平洋を再び訪問するだろう。

  2009年7月、当時のヒラリー国務長官はバンコクの空港で「米国は戻ってきた」という一言で、オバマ政権がアジアを米国戦略の「首要任務」にすると宣言した。この7年間に、米国は政治、軍事、経済、外交などの多数の手段を用いて、アジア太平洋に全方位的な配置を行っている。

  しかし、7年が経過し、米国の「アジア太平洋リバランス」戦略はアジア地区に大統領府が期待した「安定と繁栄」をもたらしていないだけでなく、アジア太平洋地区を不安定にした元凶になっている。ますます多くの米国の外交、軍事、戦略分野を研究する高官、又は学者はこの戦略は「失敗」する可能性が高く、さらにはオバマ政権が後継者に残しす一つの政治的な「負の遺産」になると考えている。

  この「米国の利益至上」の計算で、「アジア太平洋リバランス」を実施することは、マイナス効果が自然と顕著に表れ易く、主に次の方面に体現されている。

  政治外交上、米国は一方で日本、韓国、オーストラリア、フィリピンなどの同盟国との間の二国間同盟関係を強化し、もう一方で、東南アジア、南アジア諸国を全力で引き入れ、米国のアジア太平洋における同盟体系を確立することを画策している。

  軍事的に、米国はアジア太平洋地区への軍事的投入を拡大し、60%の海軍軍力を太平洋に配置し、軍事同盟を強化し、地域紛争に積極的に介入し続けている。例えば、南中国海紛争、東中国海紛争、朝鮮の核問題などだ。特に、米国は近年、「航行の自由」を名目に、南中国海海域での「巡航」活動を増加することで、西太平洋に波風を立てている。相対的に、米国は右翼が「歴史修正主義」路線で活発化する日本に対し寛容、「容認」及び支援政策を講じ、アジア諸国の間の矛盾を増大させている。

  経済的に、米国は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を通じて、アジア地区の経済協力を主導し、新しい貿易規則を形成しようと試みている。一方で、アジア諸国の経済協力は一貫して順調に進展し、且つ中国は日本、韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)、オーストラリアなどの多数の周辺の隣国の最大の貿易相手国であり、相互に主要投資先となっている。これらの国はより多くの自国の経済的考量がある。

  米国「アジア太平洋リバランス」戦略はマイナス効果が目立ち、この戦略を継続する将来性は決して楽観視できない。

  ここ数年に米国国内は経済復興が緩慢で、財政赤字が減少せず、与野党の競争が白熱化している。世論は米国はアジア太平洋地区での戦略拡大のためにより多くの人的物的資源を投入する力が不足しているという見方が一般的だ。また、世界のその他の地区で、中東は動乱が続き、「イスラム国」などの過激派組織が勢力を伸ばし、ロシアとの対立がエスカレートするなどの問題も、米国のエネルギーを深刻に巻き込み、対処に追われている。

  米国東西研究所の副所長で中国問題の専門家であるデイビッド・ファイアスタイン氏は次のように述べた。「アジア太平洋リバランス」戦略について、当然ながら話すのは実践するより容易だが、「計画が変化に追いつかず」、中東は依然として相当長い間、米国の大部分の注意力を引くと見られる。多数の米国メディアも近年、米国がアジアで持続的に影響力を発揮できるかどうかについては疑問が残ると評している。

  (新華社より)