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京都大学はいかにして日本のノーベル賞受賞者の揺籃になったのか――京都大学の山極壽一総長を特別取材

2016年 5月 16日11:23 提供:新華網日本語

  新華網北京5月16日(記者/楊汀)6日から10日にかけて、中国科学院と日本・科学技術振興機構が共同で主催した2016年中日大学フォーラム及びその一連の活動が北京と済南で行われ、中日の著名な24大学の学長が科学技術イノベーションをいかに推進し、一流の大学をいかに作り上げるかなどのテーマについて、共に研究討議した。フォーラムの開催期間中、日本のノーベル賞受賞者の揺籃と称される京都大学の山極壽一総長はイノベーション人材をいかに養成するかなどの話題について、新華社記者の特別インタビューに応じた。

  中背の体格、シルバーグレイの髪とひげにワンセットの濃いグレーのスーツ。人類学と霊長類学のこの世界的権威のある総長は、京都大学の学生から「チンパンジー総長」のニックネームで呼ばれている。今回のフォーラムで各校は科学技術イノベーションとイノベーション人材、国際化人材の養成は一流大学の重要課題であるとの見解で一致した。山極総長は、京大のこの方面の理念ややり方、即ち自由を尊重する学風も京大の創設初期からの基本理念だと紹介している。

  山極総長は次のように述べた。「自由な学風は対話を中心とした独習・自習のことで、それらが学生の自己啓発を助けます。」「京大では、基本的にすべての教員と学者が基礎教育に参加することになっており、学生は学部・学科・専攻をまたがって、すべての専攻のすべての課程及びシンポジウムグループに参加し、一流の学者に接触して第一線の研究現場で視野を広げることができます。」

  自由選択を除いて、山極総長は特に次の対話の重要性について強調している。「独習・自習を提唱するのは独立思考を提唱するだけでなく、クラスメートや教師、研究の場と十分な対話を行い、衝突し、切磋し、練磨してこそ新たな発想が生まれ、新たな協力が「形成」することができるのです。」

  このような自由の学風の下、京大はすでにノーベル賞受賞者9名とフィールズ賞受賞者2名といった国際的な科学研究分野における多くのリーダー的人物を養成してきた。

  京大は日本の自然科学研究の重鎮であり、同時に人文学科に対しても極めて重視している。京大の優れた物理、生物、医学などの自然科学研究と同様に有名なのは「京都学派」と呼ばれる西田哲学と中国学研究だという。

  山極総長は次のようにみなしている。日本の当代の大学生は、ITツールやインターネット、ソーシャルメディアに普遍的に依頼し、実際の学びや生活の場が狭い範囲に限られるという内向的な傾向にあり、これが偏頗で極端な考え方をますます多くさせている。そのため、学生に社会実践や対話、国際研修、実習の機会を一層与え、学生が野性的で剛毅な精神を持ち、自らが積極的に探索して、真の知恵を育めるように奨励していかねばならない。

  山極総長は更に次のようにみなしている。中国の大学が産業の要求に応じて積極的に動くのに比べ、日本の産学連携は比較的後れをとっている。一流大学は基礎研究を固守しているが、国際競争を最大の課題と見なす企業は、大学卒業生を単独で招聘し再トレーニングをさせたり、資金を海外の大学に投入したりして、応用面でのニーズを満たしている。

  (新華社より)