10月31日から11月2日にかけて、国務院の李克強総理は韓国を公式訪問し、またソウルで行われた第6回中日韓首脳会議に出席した。海外の関係者や世論は、今回の訪問の成果が実り多く、中韓の国家発展戦略のドッキングや実務的協力の強化に路線図を描いただけでなく、北東アジアの地域協力の開拓にも方向を明示したとみなしている。

　　今回の訪問の注目点は、中韓が4つの国家戦略のドッキングの推進を発表したことだ。日本・国立山口大学の纐纈厚（こうけつ あつし）副学長は、次のように述べている。中韓の4つの国家戦略のドッキングは、双方によるウィンウィンの関係構築への自信を際立たせており、高く評価するに値する。朝鮮半島やユーラシア大陸の経済貿易のきずなを強化し、自身の経済発展を促進することは、韓国の宿願だといえる。中国側の「一帯一路（シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード）」提唱と韓国の「ユーラシア・イニシアチブ」提案のドッキングは、韓国がこの宿願を実現させるのに役立つだろう。逆に言えば、韓国経済の潜在力を掘り出すことは、疑いなく中国自身の発展に役立ち、またアジアひいては世界経済の発展を促進するだろう。

　　インドネシアASEAN南洋基金会のスルヨノ会長は、李克強総理は韓国訪問で、二国間の経済貿易、文化、科学技術、環境保護、品質検査などの分野における協力文書17件の締結に立ち会い、双方が関連分野で合意に達したことは、中韓の自由貿易協定の正式な発効を力強く推進したと述べている。

　　韓国・湖西（ホソ）大学の全家霖教授は、双方による今回の多項目にわたる協力協議の締結は、二国間、経済貿易、科学技術といった多分野に及んでおり、しかもその多くが長期的な協力であることから、韓中関係の一層の向上に重要な推進の役割を果たしたと述べている。

　　韓国通信社ニューシスは次のように報じている。韓国の「ユーラシア・イニシアチブ」と中国側が提唱する「一帯一路」という2つの構想は、その目標や戦略、領域において多くの類似性がある。この2つの構想のドッキングは両国の政策の相互支援やインフラの共有、貿易・投資、金融協力、人的・文化的交流といった多分野での多方面的な協力の拡大に役立つ。

　　今回の訪問中に、中日韓首脳会議が3年ぶりに再開され、国際世論から高く注目された。AP通信社は、今回の会議の最大の成果は、この種の会議のより多くの開催について三方が同意したことで、中日韓の三国にとって、より多くの対話の開催に同意したことは前へ邁進する重要な一歩だと伝えた。

　　日本『朝日新聞』は社説を発表し、近隣外交は日本の進む方向に対し決定的な意義を持っている。日本は歴史と向き合う姿勢を堅持するべきで、これは日中韓の間で手を携えて協力することにとってとりわけ重要だと伝えている。

　　今回の中日韓首脳会議で、李克強総理は中日韓の協力について、政治的相互信頼のレベル向上、国際の生産能力協力の展開、東アジア経済の一体化の促進、構造改革の共同推進、持続可能な開発協力の強化および社会人文交流の推進を含む6つの具体的な提案を提起している。専門家は、中国側の提案は地域協力の新たな局面を切り開き、地域の平和・安定と繁栄の促進に役立つものとみなしている。

　　スルヨノ会長は、中日韓は東アジア最大の経済体で、現在世界経済が低迷する背景のもと、中日韓三国の経済協力は、地域と世界経済の成長にとって大きな影響力をもつ。三国間協力の向上は、政治的相互信頼の強化と切り離すことはできず、中日韓の協力は必ず政治経済と同時に進行させねばならないと述べている。

　　（新華網日本語）