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王毅国務委員兼外交部長、日本での記者会見(抜粋)

2018年 4月 20日15:57 提供:中国国際放送局

今月中旬に日本を訪問した王毅国務委員兼外交部長は16日、安倍晋三首相との会談後、記者会見に臨みました。以下は、記者会見で行われた質疑応答の抜粋です。

記者:今回の訪問の成果をどう考えるか。

王毅氏:昨日(15日)は河野外相と踏み込んだ内容の会談を行った。今日(16日)の午前中は、8年ぶりに再開した中日ハイレベル経済対話を行い、そして先ほど、安倍首相と深い意見交換をした。中日は双方とも、両国関係が改善に向かう現状を得難いものと考え、これを大切にすべきと認識している。中国は、安倍首相と日本政府が関係改善に向けて発信した前向きなシグナルを重視しており、日本に歩み寄りたい考えだ。関係改善の勢いを保ちながら、改善のプロセスを進め、中日関係の新しい未来を切り開いていきたい。

先ほど、安倍首相との会談でも強調したが、国際情勢が不確定要素に満ちる今、中日関係の改善をこの地域の平和と安定を守るための重要要素の1つとすべきだ。中日双方は、このような広い視野、長い目で両国関係を改善させていく必要がある。そのためには、両国間の4つの政治文書で定められた原則を順守して、両国関係の政治的基礎を守り、特に両国関係改善に影響を与えたり、妨げたりする可能性のある様々な問題を適切に処理することが大事である。例えば歴史問題、台湾問題などだ。それらの問題において、過去に多くのことを経験し、挫折したこともあるが、それでも関係改善に向けた双方の努力が再び止められることは望ましくない。

また、両国の経済関係については、中国側は「一帯一路」構築の進捗状況を紹介した上で、日本側が適切な形で「一帯一路」づくりに参加することを歓迎する立場を示した。双方はこれについて深く意見を交わした。

そして、中日双方は地域経済一体化プロセスを推進する必要があると確認した。中日韓自由貿易エリアや地域の全面的経済パートナーシップ協定をめぐる交渉を加速させ、具体的な成果を早期に得られるよう一層努力するというものだ。保護貿易主義の台頭を受け、中日双方は世界貿易機関(WTO)を中心とするグローバルな自由貿易体制を、行動を起こすことで守り、より開放的な世界経済システムを共に構築することを約束している。

記者:中日関係は全面的に改善していると言えるか。

王毅氏:中国外相による8年ぶりの訪日となる今回の訪問が、中日関係を正常な軌道に戻すための重要な一歩になることを望んでいる。そして改善の勢いをますます確実なものにして推進し、中日関係を早期に正常な軌道に戻しながら、両国間の4つの政治文書で定められた方向に向け、「互いに協力パートナーとなり、脅威にはならない」という共通認識に基づき、両国関係の健全で安定した発展の新しい未来を切り開くべきである。

記者:今後の両国指導層の交流について、安倍首相と具体的にどのようなことを話し合ったのか。

王毅氏:周知の通り、ここ数年、中日関係は停滞し、悪化することもあった。その原因には、多くの問題による関係の妨げがあった。それを教訓にすべきだ。問題の中心は、日本が中国の成長を正しく受け止められるかどうかということにある。中日関係の改善に従い、ハイレベル交流も徐々に回復していくだろう。まず考えなければならないのは中日韓首脳会議だが、これは来月に日本で開催される見通しだ。中日関係の改善が進めば、李克強総理は中日韓首脳会議に出席するだけでなく、日本を公式訪問する可能性もある。そのために、私も河野外相も伝えたが、中日双方が共に努力し、必要なあらゆる準備をして、李克強総理の中日韓首脳会議出席と日本公式訪問にふさわしい環境を整える必要がある。

記者:朝鮮問題について、安倍首相と何を話したか。

王毅氏:安倍首相は会談の冒頭で朝鮮半島問題に触れた。安倍首相は、日本にとっての朝鮮半島核問題の重要性を数回にわたって強調し、「拉致問題」にも言及した。これに対し私は、中国政府の立場を伝えた。危機一髪の状態であった朝鮮半島核問題は明らかに緩和し、非核化という方向に戻ってきている。これは、中国を含む各側による共同の努力の結果であり、国際社会の歓迎と支持を得るに値する。同時に、朝鮮側が自国の安全面における合理的な懸念事項を解決すべきだと主張しているが、中国はそれを正当な主張だと考えている。そのため、各側は「デュアル・トラック・アプローチ」思考で朝鮮半島の非核化の実現と平和メカニズムの構築を同時進行させ、朝鮮半島核問題の政治的解決を進めていくべきである。これこそ朝鮮半島の長期にわたる安定を実現させる根本的な方法となるだろう。それを目指して、中国は各側と連携し、引き続き建設的な役割を果たしていきたい。(鵬、謙)